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マレーシア、「ドリアン」を世界的高級品へ、中国市場を狙い輸出拡大と商品開発進める

マレーシア産の特徴は、樹上で早摘みせず、自然に熟して落下した果実を収穫する点にある。
2026年6月22日/マレーシア、首都クアラルンプール郊外の市場(AP通信)

マレーシアが、強烈な香りと濃厚な味わいで知られる「ドリアン」を世界的な高級果物として売り込む取り組みを強化している。狙いは世界最大のドリアン輸入国である中国市場だ。従来の路上販売や農園での直売にとどまらず、観光施設の整備や加工品の開発を通じて、マレーシア産ドリアンのブランド価値を高めようとしている。

その象徴が、クアラルンプール中心部に2026年夏に開業した「クアラルンプール・ドリアン・エクスペリエンス・センター」だ。約200万ドルを投じ、約1900平方メートルの施設にドリアン農園を再現し、歴史や文化を紹介する展示、劇場、試食スペースなどを設けた。ペトロナス・ツインタワー近くに位置し、地元客だけでなく、中国などから訪れる観光客を取り込むことを狙っている。

背景には中国での需要急増がある。中国は2025年、187万トン、75億ドル相当の生ドリアンを輸入した。輸入量は過去10年間で6倍以上に増え、タイが金額ベースで半分以上を占めている。マレーシアは中国への生ドリアン輸出を2024年に開始したばかりだが、2026年上半期の中国向け輸出額は前年同期の4倍に増えた。

マレーシア産の特徴は、樹上で早摘みせず、自然に熟して落下した果実を収穫する点にある。これにより濃厚で複雑な風味を引き出せる一方、完熟状態からの日持ちは最長でも2~3日程度と短い。輸送や通関で数日遅れれば品質が落ち、返品につながるため、輸出拡大には物流面の改善が欠かせない。

さらにマレーシア企業は、生果の販売だけに依存しない事業展開を進めている。ドリアンペーストやチョコレート、もち、月餅、アイスクリーム、乾燥ドリアンなどの商品が開発され、ムサンキングを使ったコーヒーや農園ツアーも登場している。2026年7月には、ドリアンの花をイメージした香水まで発売された。生果を加工することで保存性を高め、価格競争とは異なる付加価値を生み出す狙いだ。

中国国内でもマレーシア産を専門に扱うドリアン店が増えている。北京の専門店では、品種や果肉の重量に応じて300~1000元程度の盛り合わせが販売されている。中国人観光客の間でもマレーシアを訪れて現地のドリアンを味わう動きが広がっているという。

一方、ドリアンは生活必需品ではなく、景気や消費者の購買力に左右される高級品でもある。中国経済が減速すれば需要が弱まる可能性があり、中国以外の市場を開拓する必要もある。強い香りという個性を武器に、マレーシアがタイなどの競合産地との差別化を進められるかが、今後の輸出拡大を左右することになる。

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