◎タイやマレーシアがロヒンギャを追い払う一方、インドネシアはボートによる上陸を容認してきた。
2023年12月8日/インドネシア、スマトラ島北部アチェ州、ロヒンギャ難民(Rafka-Zaidan/AP通信)

インドネシア政府は12日、同国に密入国するミャンマーの少数民族ロヒンギャの難民が急増していることを受け、国際社会に支援を求めた。

それによると、この1カ月で同国に上陸したロヒンギャは1500人を超えたという。

タイやマレーシアがロヒンギャを追い払う一方、インドネシアはボートによる上陸を容認してきた。

しかし、その数が急増し自治体の負担が増すと様相が一変。多くの市民が「これ以上受け入れられない」「バングラデシュに送り返すべきだ」と主張するようになった。

外務省の報道官は首都ジャカルタで記者会見し、「難民問題、特に再定住問題への対応は非常に遅れている」と説明。「国際社会はインドネシアに問題を押し付けるのではなく、解決に向けた努力と責任を果たすべきだ」と促した。

インドネシアはタイやマレーシアと同様、1951年に国連で採択された難民の地位に関する条約に加盟していないため、ロヒンギャを受け入れる義務はない。

ジョコ(Joko Widodo)大統領は11日、ロヒンギャへの一時的な支援を約束した。

またジョコ氏は「UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)とこの問題について協議している」と明らかにした。

ミャンマー軍政による2017年の弾圧で殺害されたロヒンギャは1万3000人と推定され、少なくとも200の村が焼き払われ、100万人以上が国外退避を余儀なくされた。

バングラのコックスバザール地区には70万人以上のロヒンギャが避難し、世界最大の難民キャンプを形成している。

バングラから海路で出国するロヒンギャのほとんどが仕事を求めてイスラム教徒の多いマレーシアを目指す。

インドネシアは世界最大のイスラム国家であり、人口約2億7700万人の90%近くがイスラム教徒である。しかし今年に入り、特にスマトラ島北部アチェ州で反ロヒンギャ感情が高まっている。

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