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インドネシア政府、給食無償化の予算を大幅削減へ、大統領肝入り政策

政府は現在の予算から40兆~50兆ルピア(約20億~30億ドル)を削減する案を協議しており、対象者数や給食施設の拡充計画も見直される見通しだ。最終決定は議会との協議を経て数週間以内に下されるとみられる。
インドネシアの学校給食(ロイター通信)

インドネシア政府がプラボウォ(Prabowo Subianto)大統領の看板政策である学校給食・栄養支援プログラムの大幅縮小を検討していることが分かった。ロイター通信によると、政府は現在の予算から40兆~50兆ルピア(約20億~30億ドル)を削減する案を協議しており、対象者数や給食施設の拡充計画も見直される見通しだ。最終決定は議会との協議を経て数週間以内に下されるとみられる。

給食無償化を含む栄養プログラムはプラボウォ政権が2025年に開始した最重要政策の一つで、児童・生徒や妊婦らの栄養改善を目的としている。将来的には約8300万人を対象とする計画として打ち出され、貧困対策や発育不良の改善を掲げてきた。プラボウォ氏は選挙期間中から同政策を公約の柱として訴え、国民的人気を集めていた。

しかし、急速な事業拡大に伴い、財政負担の増大が問題視されている。今年初めには335兆ルピア規模だった予算がすでに268兆ルピアへ圧縮され、今回さらに追加削減が検討されている。国家栄養庁(BGN)は「予算削減」ではなく「効率化」と説明しているが、実際には受益者数を6250万人から4900万人程度へ減らし、新たに建設予定だった1万3000カ所以上の給食施設の整備計画も一時停止する方向で調整が進んでいるという。

背景には、インドネシア経済を取り巻く厳しい財政環境がある。政府は成長促進策やインフラ投資、防衛力強化など多額の支出を抱えており、歳出全体の見直しを進めている。市場では近年、財政規律への懸念から通貨ルピアや国債市場への警戒感が高まり、経済専門家の間では「看板政策であっても持続可能性を重視せざるを得ない状況」との見方が出ていた。

さらに、事業運営を巡る不祥事も逆風となっている。今月にはBGNの前長官らが汚職容疑で逮捕され、給食事業に関連する物品調達や運営団体の選定で不正が行われた疑いが浮上した。プラボウォ氏は新たな長官を任命し、事業の透明性向上と予算管理の徹底を指示している。

給食無償化は政権の支持基盤である、地方の低所得層や子育て世帯から高い支持を受けてきた。そのため大幅な縮小は政治的なリスクを伴う可能性がある。一方で政府内には、対象を絞り込むことで財政負担を軽減し、事業の質や安全性を向上させるべきだとの意見も強い。実際、プログラムでは過去に食品管理を巡る問題や運営上の混乱が指摘されており、拡大路線の見直しを求める声も出ている。

プラボウォ政権にとって給食無償化は単なる福祉施策ではなく、政権の象徴そのものと位置付けられている。財政健全化と政治的公約の維持という難しい課題の間で、政権がどのような決断を下すかに注目が集まっている。

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