SHARE:

インド試験漏洩問題、検察が13人起訴、試験運営機関の関係者ら

13人は全員勾留済みで、今後裁判で事件の全容解明が進められる見通しだ。
2026年7月20日/インド、首都ニューデリー、風刺政治団体「ゴキブリ人民党」の支持者(AP通信)

インド中央捜査局(CBI)は30日、国内最大規模の医学部入学試験NEET(全国医学系学部入学資格試験)の問題用紙流出事件を巡り、検察が13人を起訴したと発表した。起訴されたのは試験運営機関である国家試験庁(NTA)の職員3人のほか、問題用紙の流出に関与した仲介業者や関係機関の職員などで、いずれも共謀や詐欺、証拠隠滅などの罪に問われている。13人は全員勾留済みで、今後裁判で事件の全容解明が進められる見通しだ。

問題となったNEETは、インド国内の医学部や歯学部などへの入学資格を決める全国統一試験で、毎年約200万人が受験する国内屈指の競争率を誇る試験である。今年5月に実施された試験では、試験前に問題用紙が外部へ流出したとの疑惑が浮上し、公平性が損なわれたとして社会問題に発展した。

当局は試験結果を取り消し、6月21日に再試験を実施した。多くの受験生が長期間にわたり進学計画の変更を余儀なくされ、不満が全国に広がった。

事件を受けて学生や若者による抗議デモが首都ニューデリーをはじめ各地に拡大した。参加者は政府の試験管理体制の不備や汚職体質を批判し、教育行政の刷新を求めた。先週のデモでは警察との衝突も発生し、未成年者を含む参加者が拘束されたことから、最高裁判所は拘束された未成年者の釈放や防犯カメラ映像の保存を命じる異例の対応を取った。世論の批判はモディ政権にも向けられ、最終的に教育相が辞任に追い込まれる事態となった。

モディ政権は再発防止策として、公的試験における不正防止法の改正案を国会に提出した。法案では問題用紙の流出や組織的な替え玉受験などに対する罰則を大幅に強化し、違反者には5年以上10年以下の禁錮刑や最高5000万ルピー(約8300万円)の罰金を科すことを可能とする内容が盛り込まれている。政府は「試験制度への信頼回復が最優先課題」として厳格な姿勢を打ち出している。

インドでは近年、公務員採用試験や大学入試などで問題流出や替え玉受験が繰り返し発覚しており、試験制度の透明性に対する国民の不信感が高まっている。今回のNEET流出事件は、モディ政権が2024年に3期目へ入って以降、最大級の政治問題の一つとなった。今回の起訴は事件解明に向けた重要な節目となるが、試験制度全体の信頼回復には厳正な捜査と制度改革を着実に進めることが求められている。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします