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世界の食料インフレ、2027年まで加速か、戦争・異常気象・輸送費高騰が供給圧迫

食料危機の深刻化は、貧困層の生活を圧迫するだけでなく、社会不安や食料輸出規制の拡大につながる恐れがある。
2022年7月21日/ウクライナ、東部ドネツク州郊外の穀物畑(Getty Images/AFP通信)

世界の食料価格が今後数カ月で一段と上昇し、2027年にかけてもインフレ圧力が続く見通しとなった。戦争による海上輸送の混乱、エルニーニョ現象に伴う干ばつ、燃料や肥料の価格高騰が重なり、「穀物」の供給が圧迫されているためだ。影響は特に、食費が家計支出に占める割合の大きいアジア、中東、アフリカの低・中所得国で深刻化している。

国連食糧農業機関(FAO)のマキシモ・トレロ(Máximo Torero Cullen)チーフエコノミストは19日、年末から2027年初頭にかけて価格上昇の影響が拡大し、来年を通じて続く可能性があると指摘した。

FAOの食料価格指数は9月に136ポイントとなり、2022年11月以来の高水準を記録した。世界銀行によると、調査対象150カ国のうち、9月四半期に食料価格の上昇率が総合インフレ率を上回った国は22%に達し、前四半期の14%から増加した。

供給不安の背景には複数の要因がある。黒海周辺では穀物関連施設への攻撃により小麦輸送が滞り、紅海の治安悪化で船舶がアフリカ周回(喜望峰)の長距離航路を余儀なくされている。さらに、イラン戦争が燃料価格を押し上げ、ホルムズ海峡を通じた肥料輸出にも影響を及ぼしている。主要航路の一部では運賃が約50%上昇した。

商品価格にも影響が表れている。2026年の小麦価格は30%超上昇し、アジアの主要輸出国ではコメ価格も10~13%上がった。インドネシアではコメが過去最高値を更新し、エジプトでは政府補助のないパンの価格が7月の1斤4ポンドから約5ポンドに上昇した。アラブ首長国連邦(UAE)では食用油が約40%値上がりし、インドでも砂糖、タマネギ、豆類などの価格が生産不足を背景に上昇している。

食料加工業者も原材料の調達費や輸送費の増加に直面している。インドネシアでは9月の小麦入荷量が前年同月比41%減の49万1000トンとなり、一部の製粉工場が稼働率を落としている。通貨安も輸入コストを押し上げる要因だ。

今後は、国内収穫が好調だったため輸入を控えていた中東・アフリカ諸国が国際市場に戻り、需要が急増する可能性がある。これまで価格上昇を抑えてきた世界の穀物在庫も減少圧力にさらされている。供給不足と需要回復が重なれば、価格はさらに上昇しかねない。

食料危機の深刻化は、貧困層の生活を圧迫するだけでなく、社会不安や食料輸出規制の拡大につながる恐れがある。

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