◎ブリュッセルの欧州評議会ビルに集まったEUの外相たちは、1か月半後に開幕する北京2022冬季五輪の外交ボイコットにほとんど興味がないことを明らかにした。
2021年12月13日/ブリュッセルのEU外相会議、左からポルトガルのシルバ外相、ドイツのベアボック外相、スロベニアのロガー外相(Virginia Mayo/AP通信)

12月13日、ブリュッセルの欧州評議会ビルに集まったEUの外相たちは、1か月半後に開幕する北京2022冬季五輪の外交ボイコットにほとんど興味がないことを明らかにした。

外相たちは政府関係者の派遣を見送ったとしても、中国の人権問題解決にほとんど影響を与えないと主張したフランスを擁護し、米国の踏み絵に対処する方法を模索した。

オーストリアのアレクサンダー・シャレンベルク外相は記者団に、「スポーツイベントを政治化するつもりはない」と語った。

ドイツの新外相アンナレーナ・ベアボック氏は公共放送ZDFのインタビューの中で、「アスリートを問題に巻き込むべきではない」と述べた。「アスリートは大会に人生をかけています。私は五輪を政治化するつもりはありません...」

中国外務省は米国の外交ボイコットを「茶番劇」と呼び、それに追随した英豪カナダを厳しく非難している。

EUの27カ国は中国の人権問題を非難しつつも開会式やその他のイベントに政府の関係者を派遣したいと考えているが、欧州の問題(ウクライナ危機やベラルーシ問題など)の解決に欠かせないジョー・バイデン大統領に配慮しなければならないため、悩んでいるように見える。

中国は米国の外交ボイコットに報復で対抗すると示唆したが、詳細は明らかにしていない。

主要な人権団体は、新疆ウイグル自治区のウイグル族に対する大量虐殺、香港の弾圧、台湾に対する軍事的圧力など、中国共産党のあらゆる人権侵害を非難し、国際社会に北京2022から撤退するよう呼びかけている。

ウイグル族の人権団体は大会を「ジェノサイドオリンピック」と呼び、国際オリンピック委員会(IOC)のメインスポンサーである米NBCに圧力をかけると誓ったが、大会の準備は着々と進んでいる。

オーストリアのシャレンベルク外相は外交ボイコットの効果を疑問視したうえで、「バランスを保ちましょう」と述べた。

ドイツのベアボック外相は、「中国は気候問題のような世界規模の課題を解決するうえで欠かせない重要なパートナーです」と語った。

一方、ルクセンブルクのジャン・アッセルボルン外相は、「EUは2022冬季五輪を落札すべきだった」と指摘した。大会の一次選考には中国、カザフスタン、ポーランド、ウクライナ、ノルウェー、スウェーデンの6カ国(6都市)が立候補し、その後、ポーランド、ウクライナ、スウェーデンの3カ国は入札から撤退した。

アッセルボルン外相は記者団に、「EUは責任を認識しなければならない」と語った。「EUは入札に参加した国を支援すべきでした。結果、大会は北京で開催されることになりました...」

アッセルボルン外相も外交ボイコットの効果に懸念を表明し、フランスの立場を支持した。

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