中国・台湾問題が太平洋諸島フォーラムを直撃、中国が台湾参加に反発、地域の分断鮮明に
中国の太平洋問題担当特使は9月1日、台湾にはPIFの正式な対話パートナーとして参加する資格がないとの立場を改めて示し、台湾の存在に「深刻な懸念」を表明した。
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南太平洋のパラオで開催されている「太平洋諸島フォーラム(PIF)」首脳会議で、中国と台湾をめぐる対立が表面化している。中国は台湾の参加に強く反発し、台湾側が会議に出席すれば「結果を招く」と警告した。地域の気候変動や経済、海洋安全保障などを協議するはずの首脳会議が、米中対立を背景とした地政学的な競争の場となっている。
中国の太平洋問題担当特使は9月1日、台湾にはPIFの正式な対話パートナーとして参加する資格がないとの立場を改めて示し、台湾の存在に「深刻な懸念」を表明した。さらに台湾が会議に参加することには「結果」が伴うと警告したが、具体的な措置については明らかにしなかった。中国は台湾を自国の一部と位置づけ、台湾の国際的な活動拡大を阻止する外交政策を続けており、今回もその姿勢を太平洋地域で明確にした形だ。
これに対し、台湾との外交関係を維持する開催国パラオは台湾の林佳龍(Lin Chia-lung)外交部長(外相)を会議関連の行事に迎え入れた。台湾は太平洋諸国の発展を支援するパートナーとして地域の平和と繁栄に貢献する姿勢を示している。現在、太平洋島嶼国のうち台湾と正式な外交関係を持つのはパラオ、ツバル、マーシャル諸島の3カ国に限られる。
一方、今回のフォーラムでは複数の首脳が欠席。フィジー、バヌアツ、サモア、ソロモン諸島、キリバスの首脳が出席せず、閣僚級の代表を派遣した。ニュージーランド政府は一部の欠席に外国からの干渉が影響している可能性に言及したが、中国側はこうした指摘を根拠のないものとして否定した。
オーストラリアとニュージーランドはPIFが独自に招待国や参加者を決定する権利を持つとの立場を示している。パラオ政府も太平洋諸国が自ら地域の将来を決定することの重要性を強調してきた。こうした姿勢の背景には、中国や米国など域外大国の影響力が急速に拡大する中、太平洋島嶼国が自らの外交的な選択肢を維持したいとの思惑がある。
今回の対立は太平洋地域が単なる小島嶼国の集まりではなく、中国、台湾、米国、豪州、ニュージーランドなどが影響力を競う重要な戦略空間になっていることを改めて示した。
気候変動や経済発展を優先したい島嶼国にとって、域外大国同士の対立に巻き込まれることは大きな負担となる。PIFが今後、域内の結束を維持しながら中国・台湾問題をどのように扱うかが、太平洋地域の外交的自立性を左右する焦点となる。
