SHARE:

オーストラリア、11月に銃回収プログラム開始、反発も

今回の制度は1996年のポートアーサー銃乱射事件後に実施された買い戻しに匹敵する規模となる。
2025年12月14日/オーストラリア、シドニー近郊ボンダイビーチ、銃撃事件が発生した現場(AP通信)

オーストラリアのアルバニージー(Anthony Albanese)首相は16日、ニューサウスウェールズ(NSW)州で11月2日から銃器の買い戻し制度を開始すると発表した。2025年12月にシドニーのボンダイビーチで起きた銃乱射事件(15人死亡)を受けた措置で、国内に流通する銃の削減を目指す。今回の制度は1996年のポートアーサー銃乱射事件後に実施された買い戻しに匹敵する規模となる。

NSW州政府は新たな銃規制として、個人が所有できる銃器を原則4丁までに制限する。農家や職業上必要とする人には例外が設けられる。規制強化に伴い手放す銃について、所有者には種類などに応じて補償金を支払う。ライフルや拳銃などは1丁当たり最大1000豪ドルが支給される見通しで、高額な銃器については2027年に始まる第2段階で最大1万豪ドルを補償する制度も予定されている。

背景には豪州で銃器の保有数が増加していることへの警戒もある。登録銃器は410万丁に達し、NSW州だけでも110万丁以上が登録されている。ボンダイビーチ事件では容疑者が合法的に入手した高性能銃を使用し、銃の所有制度や管理体制が問題となった。連邦政府は買い戻しに加え、銃所持許可の審査強化や、全国的な銃器登録制度の整備などを進める方針だ。

一方、政策への反発も強い。NSW州の野党は合法的に銃を所有する農家やスポーツ射撃愛好家に負担を強いるとして制度に反対していた。また、ビクトリア州やクイーンズランド州などは現時点で同様の買い戻し制度への参加に慎重な姿勢を示しており、全国一律の銃規制を実現できるかは不透明だ。

アルバニージー政権は事件を受けた安全対策として銃を社会から減らす必要性を強調してきた。11月からの制度が豪州の銃規制をさらに厳格化する転機となるかが注目される。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします
あなたへのおすすめ