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建設中のビルが倒壊、1人死亡、21人行方不明 フィリピン

倒壊したのは、首都マニラの北方約80キロに位置するアンヘレス市中心部で建設が進められていた9階建ての複合施設、ホテルやコンドミニアムとして利用される予定だった。
2026年5月24日/フィリピン、パンパンガ州アンヘレス市、倒壊した建設中の建物(ロイター通信)
フィリピン北部パンパンガ州アンヘレス市で24日未明、建設中のビルが倒壊し、少なくとも1人が死亡、21人が行方不明となっている。現場では救助隊による捜索活動が続いており、当局は行方不明者の救出を急ぐとともに、事故原因の調査を本格化させている。

倒壊したのは、首都マニラの北方約80キロに位置するアンヘレス市中心部で建設が進められていた9階建ての複合施設、ホテルやコンドミニアムとして利用される予定だった。事故は24日の午前2時半ごろ発生、現場周辺では爆発音のような轟音が響いたという。建物は一瞬で崩れ落ち、鉄骨やコンクリート片が周囲に飛散した。地元住民の中には「地震が起きたと思った」と証言する人もおり、周辺住民が深夜に避難する騒ぎとなった。

死亡が確認されたのは隣接する宿泊施設に滞在していた65歳のマレーシア人男性で、瓦礫の下敷きになったという。また同行していた別のマレーシア人も負傷し、病院に搬送された。倒壊時、ビル内部では夜間工事が行われており、多数の作業員が中にいた可能性があるという。これまでに24人が救助されたが、依然として21人の行方が分かっていない。

救助活動には消防、警察、軍など約700人が動員されている。現場では大型クレーンや重機に加え、災害救助犬、熱感知装置、心拍探知機などが投入され、捜索が続けられている。当局によると、がれきの下に閉じ込められたとみられる5人の位置を確認し、2人と接触できたという。しかし、建物の残骸が不安定な状態にあり、二次災害の危険もあることから、救助活動は慎重に進められている。

事故原因について、当局は建築基準違反の可能性を視野に調査を進めている。アンヘレス市の担当者によると、正式に許可されていたのは9階建てまでだったが、現場では許可外の10階部分にプール設備を増設していた疑いがあるという。また、事故前には強風と大雨が続いていたとの証言もあり、悪天候が建物構造に影響した可能性も指摘されている。ただし、市当局は現時点で気象条件との直接的な関連は確認されていないとしている。

フィリピンでは近年、急速な都市開発が進む一方で、建設現場の安全管理や行政監督の不備が問題視されてきた。過去にも商業施設や住宅建設現場での事故が相次ぎ、専門家からは「建築確認制度が形骸化している」との批判も出ている。今回の倒壊事故は同国の建設行政の脆弱さを改めて浮き彫りにした形だ。当局は施工会社や関係者への事情聴取を進めており、責任の所在解明が今後の焦点となる。

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