パキスタン南西部で列車爆破テロ、24人死亡、70人負傷、過激派が犯行声明
事件後、分離独立を掲げる反政府勢力「バルチスタン解放軍(BLA)」が犯行声明を発表し、「自爆攻撃だ」と主張した。
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パキスタン南西部バルチスタン州クエッタで24日、軍関係者らを乗せた列車を狙った爆破テロが発生し、少なくとも24人が死亡、約70人が負傷した。地元当局によると、爆発はクエッタの軍駐屯地近くを出発したシャトル列車が市内の踏切付近を走行中に起きた。爆風で複数車両が脱線し、うち2両が横転したほか、周辺の住宅や車両にも被害が出た。
事件後、分離独立を掲げる反政府勢力「バルチスタン解放軍(BLA)」が犯行声明を発表し、「自爆攻撃だ」と主張した。BLAは声明で、列車には治安部隊関係者とその家族が乗っていたとして、軍への攻撃を目的にしたと説明している。地元警察によると、爆発物を積んだ車両が列車近くで爆発した可能性が高いという。
現場では爆発直後から救助活動が行われ、多数の負傷者が病院へ搬送された。SNS上には、黒煙が立ち上る線路沿いで住民や救助隊が負傷者を運び出す映像も投稿され、現場の混乱ぶりが広く伝えられた。シャリフ(Shehbaz Sharif)首相は声明で「罪のない市民を狙った卑劣な行為だ」と強く非難し、テロとの戦いを継続する姿勢を示した。ザルダリ(Asif Ali Zardari)大統領も犠牲者に哀悼を表し、治安部隊への支援を強化すると述べた。
バルチスタン州では近年、BLAを中心とする分離主義勢力による攻撃が激化している。同州は天然ガスや鉱物資源が豊富な一方、住民の間では「資源利益が中央政府に吸い上げられている」との不満が根強く、長年にわたり武装闘争が続いてきた。BLAは中国主導の経済圏構想「一帯一路」に関連するインフラ事業にも反発しており、中国人技術者や国軍を標的とする攻撃を繰り返している。
2025年3月にはクエッタ発の旅客列車がBLAに襲撃され、乗客が人質に取られる事件が起きた。軍は特殊部隊を投入し、最終的に武装勢力33人を殺害したが、多数の死傷者が出た。さらに2026年初頭には州内各地で警察署や軍施設を狙った同時多発攻撃も発生し、政府が大規模な掃討作戦を展開している。
今回の爆破テロは中央政府が「治安は改善している」と強調する中で発生した。専門家の間では、BLAが依然として高度な攻撃能力を維持していることを示したとの見方が出ている。アフガニスタン情勢の不安定化や周辺地域での武装勢力の活動拡大も重なり、パキスタン西部の治安悪化に対する懸念が一段と強まっている。
