◎マドゥロ政権は野党候補の大統領選出馬を妨害する可能性がある。
2023年10月23日/ベネズエラ、首都カラカス、大統領予備選に立候補したマチャド氏(AP通信)

ベネズエラのマドゥロ政権は24日、野党が主催した大統領予備選の投票率が予想をはるかに上回ったことを受け、この選挙を「偽物」「詐欺」「嘘っぱち」と嘲笑した。

マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領とその仲間たちは野党予備選を妨害し、同国初の女性大統領を目指すマチャド(María Corina Machado)元議員の大統領選出馬を禁じている。

野党の選管当局によると、得票総数の65%にあたる約148万票を集計した時点で、マチャド氏の得票率は93%近くに達したという。

野党は得票総数を予想していなかったが、この取り組みにかかわった人々は物流の問題、燃料不足、マドゥロ政権の弾圧・威嚇・嫌がらせなどから、100万票程度と予想していた。

しかし、ベネズエラ国外(スペイン、メキシコ、アメリカなど)に設置された投票所にも多くのベネズエラ人が集まり、230万人近くが1票を投じた。

マドゥロ政権は野党候補の大統領選出馬を妨害する可能性がある。

国会議長は24日、200万人以上が予備選に投票したという野党の主張は「嘘っぱち」であり、選挙を「とんでもない詐欺」と呼んだ。

また議長は「22日の選挙は茶番であり、詐欺であった。私たちは野党が茶番を計画していることを知っていたので、各投票センターに担当者を配置し、何人が投票したか数えていた」と主張した。

議長はマチャド氏と野党議員を「犯罪者」と呼び、「政府は犯罪を立証する十分な証拠を持っている」と主張した。

マチャド氏はマドゥロ政権を最も厳しく非難する元議員のひとりであり、22日の投票では他の9候補を大きく引き離した。同氏は23日に勝利を宣言した。

この予備選は国内のすべての登録有権者と、海外在住のおよそ40万人を対象としていた。

大統領選は2024年後半に予定されている。しかし、一部のオブザーバーはマドゥロ氏が任期を2030年まで勝手に延長する可能性があると指摘している。

ベネズエラの経済はマドゥロ氏の不作為と米国の制裁でボロボロになり、この数年で市民700万人が国外に流出したと推定されている。

GDPはマドゥロ氏が就任した2013年以降、右肩下がりで急降下。2021年のGDP(推定値)は10年前の2割以下に落ち込んだ。

西側諸国は2018年の大統領選に出馬した野党党首グアイド(Juan Guaido)氏をベネズエラの暫定大統領と認めている。

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