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ベネズエラ前大統領の麻薬密売裁判、2027年6月初公判へ 米司法省が提案

マドゥロ被告と妻のシリア・フロレス被告は今年1月に米特殊部隊がカラカスで実施した作戦によって拘束、米国へ移送された。
2026年1月3日に米当局が公開した写真、逮捕されたベネズエラのマドゥロ大統領(ロイター通信)

米司法省とベネズエラのマドゥロ(Nicolas Maduro)前大統領の弁護団は21日、米ニューヨーク・マンハッタン連邦地裁で進む麻薬密売捜査について、公判を2027年6月に開始する日程案を裁判所へ共同提出した。今後開かれる審理で具体的な訴訟日程が協議される見通しだが、最終的な判断は判事が下す。双方とも今後の手続きの進展次第では、日程変更を求める可能性があるとしている。

今回提出された日程案では、弁護側が事件の却下を求める最初の申し立てを9月2日までに行うとしている。この中では、マドゥロ被告が主権国家の元首として訴追免責を受けるべきだと主張する可能性が高い。また、検察側が機密証拠を開示した後、弁護側は2027年1月11日までに追加の申し立てを行う予定で、公判前の法廷闘争が長期化する可能性がある。

マドゥロ被告と妻のシリア・フロレス(Cilia Flores)被告は今年1月に米特殊部隊がカラカスで実施した作戦によって拘束、米国へ移送された。その後、麻薬密売などの罪で起訴されたが、両被告はいずれも無罪を主張している。現在はニューヨーク・ブルックリンの連邦拘置施設に収容されている。

マドゥロ被告は2013年からベネズエラの指導者を務め、米国と長年にわたり対立関係にあった。初回出廷時には自らを「戦争捕虜」と位置づけ、米国が世界有数の石油埋蔵量を持つベネズエラへの影響力拡大を狙って政権転覆を図ったと主張した。

一方、米政府はマドゥロ被告を「腐った独裁者」と位置づけ、経済運営の失敗による国家経済の崩壊や、2018年と2024年の大統領選挙で不正を行ったと非難してきた。米国は2019年以降、マドゥロ被告をベネズエラの大統領と認めていない。

今回の日程案は近年の米国の刑事司法史の中でも極めて注目度の高い事件の工程表となる。今後は免責特権の適用や証拠開示の範囲などを巡る争点が整理される見込みで、公判開始まで約1年にわたり予備的な法的手続きが続くことになる。

裁判所がどのような判断を示すかは、米国とベネズエラの関係だけでなく、国家元首に対する刑事訴追のあり方にも影響を及ぼす可能性があり、国際社会の注目を集めている。

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