イギリス首相、奴隷貿易への公式謝罪に前向き、賠償金支払いは拒否、旧植民地との対話を提案

英国の歴史認識をめぐる対立は、旧植民地との外交関係や英連邦の結束にも影響しており、チャールズ国王(King Charles III)が出席する首脳会議(11月1〜4日)での議論が注目される。
2026年10月28日/バハマ、首都ナッソー、チャールズ英国王(AP通信)

イギリスのバーナム(Andy Burnham)首相は10月31日、英国が大西洋奴隷貿易に関与した歴史について、国家としての公式謝罪を求める声に耳を傾ける用意があると表明した。一方、現在の英国民に過去の歴史的責任を負わせることはできないとして、カリブ海諸国などが要求する金銭的賠償は拒否した。英紙ガーディアンへの寄稿で明らかにした。

バーナム氏は、奴隷貿易によって何百万人ものアフリカ人が家族から引き離され、人間性を否定され、過酷な労働を強いられたと指摘。「苦痛と苦難に対する悲しみと遺憾の意」を表明し、その歴史が現在の世界にも影響を及ぼしていると認めた。また、被害を受けた国々や団体との「体系的な対話」を開始し、英国政府としての正式な謝罪についても検討する姿勢を示した。

一方、賠償金の支払いについては、異なる時代の法律の下で起きた過去の不正行為に、現代の英国民が責任を負うべきではないと主張した。代替策として、旧植民地を含む発展途上国の債務負担軽減を提案。返済期間の延長や金利引き下げを実現するため、先進国や投資家との協力を進める考えを示した。ブラウン(James Gordon Brown)元首相もこの取り組みを支援するため、英連邦首脳会議に参加する予定だ。

カリブ海諸国は奴隷貿易への謝罪だけでなく、教育、医療、貧困対策などを含む賠償を長年要求してきた。バルバドスやアンティグア・バーブーダ政府はバーナム氏の発言を歓迎する一方、賠償を求める立場は変わらないと強調した。

英国の歴史認識をめぐる対立は、旧植民地との外交関係や英連邦の結束にも影響しており、チャールズ国王(King Charles III)が出席する首脳会議(11月1〜4日)での議論が注目される。

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