トランプ氏が誇示したベネズエラ石油開発の大型契約、実現に大きな壁

ベネズエラの法律が定める石油事業の25年間の期間内に、現実的に開発できる埋蔵量は約100億バレルにとどまるとの専門家の見方がある。
ベネズエラの油田(Getty Images)

トランプ米大統領が「史上最大の石油取引」と誇示したベネズエラの油田開発計画が、実現に向けて多くの課題に直面している。計画を担うのは、ベネズエラの実業家アレハンドロ・ベタンコート(Alejandro Betancourt)氏が率いる新興企業NABEP(ノース・アメリカン・ブルー・エナジー・パートナーズ)だ。同社は17油田の運営権を取得し、日量約22万4000バレルの生産量を100万バレル超に引き上げる目標を掲げる。対象油田の埋蔵量は約640億バレルとされる。

しかし、ロイター通信が石油労働者や請負業者、金融関係者、業界専門家ら15人に取材したところ、NABEPは人材確保や設備調達、老朽化したインフラの修復に苦戦していることが分かった。ある関係者は請負業者への支払いが滞っているとも証言した。NABEP側は2024年以降、10億ドルを投資し、事業は計画通り進んでいると反論している。

埋蔵量の規模にも疑問がある。ベネズエラの法律が定める石油事業の25年間の期間内に、現実的に開発できる埋蔵量は約100億バレルにとどまるとの専門家の見方がある。特にマラカイボ湖周辺では、休止中の約4000油井の約8割で修理が必要とされる。新たな掘削設備を導入するにも、多額の資金と時間が必要だ。

さらに、ベタンコート氏はベネズエラの国営石油会社PDVSAを巡る資金流用疑惑などで米国やスイスの捜査対象となった経緯があり、銀行口座の開設や資金調達にも影響が出ている。ただし、同氏は刑事訴追されていない。

米国向けの最初の原油100万バレルはテキサス州に到着したが、契約の透明性やトランプ政権の関与を巡る疑問は残る。大規模な増産が実現するかは、資金、人材、設備の確保にかかっている。

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