◎燃料価格の高騰は世界に痛みをもたらし、南米のいくつかの国で社会不安を引き起こした。
2022年6月28日/アルゼンチン、首都ブエノスアイレス近郊の道路、デモ隊の乗り入れを阻止する機動隊(Victor R. Caivano/AP通信)

アルゼンチンの警察は28日、首都ブエノスアイレスの中心部に乗り入れようとしたトラック運転手のデモグループを阻止したと発表した。

トラック運転手は数週間前から続くディーゼルの不足と高騰に抗議する予定だった。

南米の多くの国がロシア・ウクライナ戦争がもたらした燃料不足と価格高騰に悩まされている。

ペルーのトラック運転手は27日から無期限ストライキを開始した。

エクアドルでは先住民族連合が主導する抗議デモで少なくとも5人が死亡、数十人が負傷している。この暴動は3週目に突入した。

ブラジルの国営石油会社ペトロブラスのCEO(最高経営責任者)は先週、燃料価格の高騰に対処できていないという政府の圧力に屈し、辞任した。

燃料価格の高騰は世界に痛みをもたらし、南米のいくつかの国で社会不安を引き起こした。

アルゼンチンの人口の大多数を占める低中所得者層は燃料と食料価格の高騰に対処できず、生活を維持することが困難になっている。

アルゼンチンのデモ隊は燃料だけでなく、穀物輸送の料金引き上げも要求している。

エクアドルでは28日、アマゾンで燃料を輸送していた部隊とデモ隊が衝突し、兵士1人が死亡、少なくとも12人が負傷した。この事件を受け、ラソ(Guillermo Lasso)大統領は先住民族連合との対話を打ち切ると発表した。

先住民族連合は政府に「ガソリン価格の引き下げ」「農産物の価格統制(上限設定)」「教育予算の増額」を要求しており、3週目に入った激しい暴動は首都キトの機能を完全にマヒさせている。

一方、アルゼンチンの抗議は他国のデモとは異なり、価格高騰より不足に対処するよう政府に求めている。供給量が不足すれば、価格は当然高騰する。

28日のデモに参加する予定だった男性はAP通信の取材に対し、「ガソリンスタンドはディーゼルを法外な価格で販売している」と主張した。

アルゼンチンはガソリンスタンドの小売価格に上限を設けているが、トラック運転手によると、ルールを守るスタンドは少ないという。

政府の報道官は25日に放送されたラジオインタビューの中で、「供給不足は15~20日以内に解消できると思う」と述べた。

アルゼンチンの製油所と石油貯蔵施設は需要に対応できておらず、ディーゼルに頼っている農業・輸送・電力部門に深刻な影響を与えている。

ペルーのデモ隊は28日、燃料価格の高騰が食品や電気料金の価格を押し上げているとして、政府に速やかな対応を呼びかけ、警察に石を投げ、タイヤやゴミ箱に火を放った。

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