バングラ首相「3000億ドルの気候資金目標は不十分」先進国にさらなる支援求める
年間3000億ドルの目標はCOP29(国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議)で合意された新たな気候資金の指標で、2035年までに先進国が中心となって途上国向け資金を拠出することを目指している。
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バングラデシュのラーマン(Tarique Rahman)首相は23日、中国・大連で開催された世界経済フォーラム(WEF)の会合で演説し、気候変動対策を支援するため先進国が拠出を約束している年間3000億ドルの気候資金目標について、「途上国の実際の需要を満たすには不十分だ」と述べ、支援規模の拡大と資金供給の迅速化を求めた。気候変動の影響を強く受ける国々への支援を巡り、先進国と途上国の隔たりが改めて浮き彫りとなった形だ。
年間3000億ドルの目標はCOP29(国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議)で合意された新たな気候資金の指標で、2035年までに先進国が中心となって途上国向け資金を拠出することを目指している。しかし、気候変動の被害拡大に直面する途上国からは、必要額ははるかに大きいとして増額を求める声が相次いでいる。
ラーマン氏はバングラが洪水や台風、河川侵食、海水の流入など深刻な気候災害に直面していると指摘した。同国は世界有数の低地国家であり、海面上昇や異常気象による被害が年々拡大している。ラーマン氏はこうした脅威に対応するためには、防災インフラ整備や農業対策、再生可能エネルギー導入などへの大規模投資が不可欠だと強調した。
またラーマン氏は先進国に対し、これまでの資金拠出の約束を着実に履行するよう求めるとともに、国連の「緑の気候基金(GCF)」の機能強化や、自然災害による損失を補償する「損失と損害基金」の本格運用を急ぐべきだと訴えた。特に、資金供給までに長い時間を要する現状を問題視し、被害国が迅速に利用できる仕組みづくりの必要性を強調した。
一方で、ラーマン氏は自国の取り組みにも言及した。バングラ政府は河川管理や防災能力向上を目的に約2万キロメートルの水路浚渫を進めているほか、森林保全と二酸化炭素吸収能力向上のため2億5000万本の植樹計画を推進している。気候変動への適応と温室効果ガス排出削減の双方に取り組む姿勢を示しながら、国際社会の支援なしには目標達成が困難との認識を示した。
11月にはトルコでCOP31が開催される予定、気候資金の拡充が主要議題の一つとなる見通しだ。近年、異常気象による経済損失は世界各地で増加しており、気候変動に脆弱な国々は安定的かつ予測可能な資金供給の枠組みを求めている。バングラの訴えは途上国全体の不満を代弁するもので、COP31に向けた国際交渉にも影響を与える可能性がある。気候危機への対応を巡り、先進国がどこまで具体的な支援策を示せるかが問われている。
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