リオ・ティント社、アルゼンチンでリチウム事業拡大、14億ドル投資で新工場稼働
アルゼンチンはチリ、ボリビアとともに「リチウム・トライアングル」を形成し、世界有数の埋蔵量を持つ。
.jpg)
英豪系資源大手リオ・ティントは28日、アルゼンチン北西部カタマルカ州で、リチウム生産施設2カ所の開所を発表した。新設の工場と既存の「フェニックス」事業の拡張計画「フェニックス1B」に、合計約14億ドルを投じた。
両事業は本格稼働後、電気自動車(EV)用電池の主要原料となる炭酸リチウム換算で年間2万5000トンの生産能力を追加する。両施設は2026年第2四半期(4~6月)に当初計画より早く生産を開始しており、今後、段階的に生産量を増やす。
同社はアルゼンチンをリチウム事業拡大の重要拠点と位置付ける。北部サルタ州で進める主力の計画では、年間6万トンの生産能力を見込む。これらの事業を通じ、2028年までにアルゼンチン国内の年間生産能力を20万トンに引き上げる目標を掲げている。サイモン・トロット(Simon Trott)CEOは会見で、世界的にリチウム需要が拡大していると述べ、さらなる増産の可能性にも言及した。
今回の事業では、直接リチウム抽出(DLE)技術の活用も焦点となる。従来の蒸発池方式などと比べ、抽出に要する時間を短縮し、環境負荷を抑えられる可能性があるとされる。ただし、大規模生産でのコストや処理能力、長期的な性能については課題も残る。リオ・ティントはこの技術を事業の中核に据える大手鉱山会社の一つとなることを目指す。
アルゼンチンはチリ、ボリビアとともに「リチウム・トライアングル」を形成し、世界有数の埋蔵量を持つ。ミレイ政権は規制緩和や投資優遇策を通じて外国資本の呼び込みを進めており、一定規模以上の事業には税制、法制度、外貨取引面で長期的な優遇措置を設けている。鉱業当局は同国のリチウム生産量が2029年までにチリを上回る可能性があると予測する。
今回の増産は輸出拡大と外貨獲得に寄与する一方、環境保全や地域社会との共存も問われることになる。
