ブラジル低所得層、クレジットカード返済負担が高所得層の4倍、中央銀行が過剰債務を警戒
2026年6月時点で、最低賃金の50%に届いていない低所得層は、収入の15%をクレジットカード債務の返済に充てていた。
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ブラジル中央銀行は10月27日に公表した金融安定報告書で、低所得層の家計において、クレジットカードなど高金利の消費者向け融資の返済負担が深刻化していると明らかにした。
それによると、2026年6月時点で、最低賃金の50%に届いていない低所得層は、収入の15%をクレジットカード債務の返済に充てていた。最低賃金の10倍を超える高所得層の3.75%と比べ、4倍に達する。低所得層の負担率は過去最高水準に近い。
無担保消費者ローンでも格差は鮮明だ。低所得層では、収入の9.6%が返済に回る一方、最低賃金の10倍超の層では3.1%にとどまった。中銀によると、家計の債務負担は過去21年間で最も高い水準に達しており、低所得者ほど深刻な影響を受けている。
背景には、金融サービスのデジタル化に伴う融資機会の拡大がある。スマートフォンなどを通じて手軽に融資を申し込めるようになった一方、返済能力を超える借り入れが増加している。高金利の融資への依存は2023年末以降に強まり、延滞や自己破産のリスクも上昇している。
ルラ政権は経済成長を支える手段として金融サービスへのアクセス拡大を推進してきた。しかし、中銀は今回、過剰債務を抑制し、金融システムの安定性を確保するため、リスクの高い融資分野を対象とするマクロプルーデンス政策の導入を検討すると表明した。具体的な措置については明らかにしていない。
マクロプルーデンス政策は、個々の金融機関ではなく、金融システム全体のリスクを分析・評価し、金融危機の予防や経済全体への波及を防ぐための政策である。
家計向け融資の不良債権も、延滞の増加を主因に、多くの融資分野で2012年以来の高水準に達している。中銀は信用リスクが当面高止まりする可能性を指摘しており、融資拡大と消費者保護をどう両立させるかが課題となっている。
