◎デモ隊はカスティジョ氏の解放、ボルアルテ政権と議会の解体、解散総選挙を求めている。
2022年12月15日/ペルー北部、バリケード用の石を転がすデモ隊(Hugo Curotto/AP通信)

ペルー当局は16日、カスティジョ(Pedro Castillo)前大統領の罷免に抗議する暴徒と警察が衝突し、少なくとも8人が死亡したと発表した。

地元メディアによると、デモの犠牲者は20人を超えたという。8人の身元と死因は明らかにされていない。

一連の暴動と市民の死を受け、ルアルテ政権の閣僚2人が辞意を表明した。

カスティジョ氏は今月7日、議会を一時的に解散し、「特別緊急政府」を設置するとテレビ演説で発表したものの、議会の弾劾投票で罷免され、同日遅くに反逆罪で逮捕された。その後まもなく、副大統領のボルアルテ(Dina Boluarte)氏が大統領に就任した。

デモ隊はカスティジョ氏の解放、ボルアルテ政権と議会の解体、解散総選挙を求めている。

報道によると、南部クスコにある国際空港がデモの影響で閉鎖を余儀なくされ、観光客数千人が立ち往生しているという。

ペルーではこの6年間で6人大統領が誕生している。ボルアルテは60歳の弁護士で、政治経験はゼロに等しく、アナリストは「非常に厳しい政権運営を余儀なくされる」と予想している。

政府報道官は16日、南部アヤクチョ州で15日に行われたデモで少なくとも8人が死亡したと発表した。

ソーシャルメディアで共有された動画には、デモ隊が市内の道路や空港を占領している様子が映っている。

16日に辞意を表明した閣僚2人はツイッターに声明を投稿。「同胞の死を受け入れることはできない」と述べ、軍と警察の取り締まりが強化されたことに不満を表明した。

ボルアルテ氏は11日、2026年7月に予定されている総選挙を2024年に前倒しする意向を示し、さらに14日には2023年12月に実施すると表明した。

しかし、野党が多数派を占める議会は選挙を前倒しする動議を反対多数で否決し、ボルアルテ氏に辞任を迫った。

抗議デモと暴動は同国の観光産業にも影響を与えている。クスコの市長はAFP通信に、「デモ隊が空港ターミナルを襲撃しようとしたため閉鎖を余儀なくされ、観光客約5000人が市内で足止めされている」と語った。

クスコは年間数十万人の観光客が訪れるマチュピチュの玄関口である。

また、マチュピチュの鉄道も止まり、観光客約800人が立ち往生しているようだ。報道によると、一部の観光客はクスコに戻るために徒歩で町を離れたという。

2022年12月15日/ペルー、首都リマ郊外の道路(Hugo Curotto/AP通信)
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