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生成AIに恋愛相談、「人間らしさ」が損なわれると懸念も

専門家は、AIを「代筆者」ではなく「補助ツール」として利用することが重要だと指摘する。
スマートフォンを見る女性(Getty Images)

生成AIの普及に伴い、恋愛の場面でもAIチャットボットを活用する人が増えている。メッセージの作成やデートの誘い方、プロフィールの添削、別れ話の文章作成まで、AIが恋愛相談の相手となり、コミュニケーションを支援する事例が広がっている。一方で、恋愛における「本物らしさ」が損なわれるとの懸念や、AIへの依存が人間関係に及ぼす影響を指摘する声も上がっている。

こうした使われ方から、AIは17世紀フランスの戯曲「シラノ・ド・ベルジュラック」になぞらえ、『現代版シラノ』とも呼ばれている。作中では、主人公シラノが別の男性に代わって恋文を書き、恋愛を成功へ導く。現在では、その役割をAIチャットボットが担う場面が増えつつある。

米国では、デートアプリで知り合った相手との最初のメッセージをAIに考えてもらう利用者が少なくない。自分の趣味や相手のプロフィールを入力すると、自然な話題やユーモアを交えた文章をAIが提案する。返信に困った際には、相手とのやり取りを貼り付けて返答例を作成させることも一般的になっている。複数の候補から自分らしい表現を選び、必要に応じて修正して送信するという使い方が定着し始めている。

恋愛コーチングの分野でもAIの導入が進む。利用者は会話の履歴をAIに分析させ、相手の心理や反応を推測したり、自分の表現に問題がなかったかを確認したりしている。初対面での会話や交際中の悩みだけでなく、プロポーズの言葉や謝罪文、別れを切り出す文章の作成まで相談内容は多岐にわたる。

一方で、こうした利用方法に違和感を抱く人も少なくない。AIが作成した文章をそのまま送れば、自分自身の言葉ではなくなるため、相手を欺く行為ではないかという批判がある。特に恋愛は互いの個性や価値観を伝え合う過程であり、AIが介在することで本来の人格や感情が見えにくくなるとの指摘もある。

専門家は、AIを「代筆者」ではなく「補助ツール」として利用することが重要だと指摘する。誤字や表現を整えたり、言葉遣いの参考にしたりする範囲であれば、文章作成支援ソフトと大きな違いはない。しかし、感情や考え方までAIに委ねるようになれば、自分自身のコミュニケーション能力を磨く機会を失う恐れがある。

さらに、利用者がAIに恋愛相談を重ねることで、チャットボットそのものに心理的な愛着を抱くケースも報告されている。近年は利用者との長時間の対話を前提としたAIサービスも登場しており、孤独感を和らげる一方、人間同士の関係構築を避ける要因になる可能性も議論されている。

AI企業側も恋愛分野での需要を認識しており、一部のチャットボットは会話の自然さや共感的な応答能力を向上させている。デートアプリ各社もプロフィール作成やメッセージ作成を支援するAI機能を相次いで導入し、恋愛市場におけるAIの存在感は今後さらに高まるとみられる。

恋愛におけるAIの役割は、あくまで利用者の気持ちを整理し、表現を手助けする「相談相手」にとどまるのか、それとも人間同士の関係そのものを変える存在となるのか。その境界線をどう考えるかが、新たな課題となっている。便利さと真正性のバランスをどのように保つかが、AI時代の恋愛を考える上で重要なテーマとなりそうだ。

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