ペルーカトリック教会、先住民の土地収奪を謝罪、償いの式典開催
問題の中心にあったのは、ペルー発祥の保守系カトリック団体「ソダリティウム・クリスティアナエ・ウィタエ(SCV)」である。
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ペルー北部ピウラ州カタカオスで23日、カトリック教会の高位聖職者らが、先住民コミュニティに対する土地収奪問題について謝罪する償いの式典を開いた。対象となったのは、長年にわたり土地を巡る争いに苦しんできた先住民であり、教会側が公式に謝罪を表明したことで、国内では歴史的な和解への第一歩として注目を集めている。
問題の中心にあったのは、ペルー発祥の保守系カトリック団体「ソダリティウム・クリスティアナエ・ウィタエ(SCV)」である。同団体は1971年、ラテンアメリカで広がった解放の神学に対抗する保守運動の一環として設立され、最盛期には南米や米国を含め約2万人の信者を抱える大組織へ発展した。しかし近年、創設者ルイス・フィガリ(Luis Fernando Figari)による性的虐待や精神的支配、資金不正などが次々に告発され、バチカンの調査で組織的な不正が認定された。故フランシスコ(Pope Francis)教皇はSCVの解散を正式に決定している。
今回の式典では、SCV解散手続きを担当したバチカン特使が住民の前で謝罪した。満員となった教会で司教は、「教会を代表して許しを請いたい。我々は来るのが遅すぎた」と述べ、長年にわたり住民の訴えを十分に受け止めなかった教会の責任を認めた。また、故フランシスコ教皇が2024年に住民へ送った「土地を守るために闘いなさい。私はあなたたちと共にいる」という言葉も紹介された。
土地問題は少なくとも2010年代初頭に始まった。SCV関連企業は複数の土地所有権移転を根拠に、カタカオス周辺の広大な農地から住民を立ち退かせようと法的措置を進めた。しかし農民側は所有権移転そのものを認めず、強制退去に強く反発した。結果として多数の農民が「不法占拠」の罪で訴追され、立ち退きを巡る衝突では地域指導者2人が射殺される事態に発展した。住民側は長年、国家による保護が不十分だったと訴えてきた。
式典には人権団体関係者も参加した。ペルー国家人権委員会の事務局長は、「国家が農村共同体を守れなかった中で、教会が和解への道を示した歴史的行動だ」と評価した。一方で、住民側からは謝罪だけでなく、土地権利の回復や具体的な補償を求める声も上がっている。
今回の謝罪はカトリック教会が過去の不正と向き合い、先住民との関係修復を進めようとする姿勢を象徴する出来事となった。ペルー司教協議会は教皇レオ14世(Pope Leo XIV)が年内にも同国を訪問する可能性があると明らかにしており、今後、教会改革と先住民人権問題への対応がさらに注目を集めそうだ。
