◎大統領選の得票率は現政権のマサ経産相が37%、ミレイ氏が30%、ブルリッチ氏は24%だった。
アルゼンチン、チェーンソーパフォーマンスを披露するミレイ氏(Getty Images)

22日のアルゼンチン大統領選で3位となったブルリッチ(Patricia Bullrich)元治安相が来月の決選投票で無政府資本主義者のミレイ(Javier Milei)氏を支持すると表明した。

ブルリッチ氏は25日の記者会見で、「フェルナンデス政権に終止符を打つ必要がある」と語った。「ミレイと我々には大きな違いがある。私はそれを見過ごしているわけではない。しかし、私たちはアルゼンチンに変革をもたらしたいというジレンマに直面しており、現在の恥さらし政府による統治に終止符を打つ必要があるのだ...」

選挙管理委員会によると、大統領選の得票率は現政権のマサ(Sergio Massa)経産相が37%、ミレイ氏が30%、ブルリッチ氏は24%だった。

ブルリッチ氏はこう強調した。「この国は根本的な変化を必要としている。史上最悪の政府を終わらせましょう...」

またブルリッチ氏は「自身が率いる中道右派政党はこの決定を正式に支持していない」としたうえで、連立政権を発足させたり、自分自身が閣僚入りすることはないと主張した。

トランプ(Donald Trump)前米大統領を敬愛するミレイ氏は22日の選挙でブルリッチ氏と右派票を争った。

ミレイ氏はブルリッチ氏を激しく罵ってきたが、最近はその発言も控えめにあり、ブルリッチ氏が勝利した場合には自身が入閣する可能性もあると示唆していた。

ミレイ氏はブルリッチ氏の記者会見が始まるとライオンにアヒルが抱きついている漫画絵をSNSに投稿。ミレイ氏の支持者は同氏はライオン。ブルリッチ氏の支持者は同氏をパト(スペイン語でアヒルの意)と呼んでいた。

ミレイ氏はSNSにこう投稿している。「私たちはお互いを許し合った...」

アルゼンチンはフェルナンデス政権の不作為による経済の低迷と140%という記録的なインフレに悩まされている。国連によると、同国の児童の50%以上がまともな食事をとれず、援助団体やNGOの支援に頼っているという。

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