◎アフリカ北西部からカナリア諸島への亡命を目指す航路は世界で最も危険なルートのひとつであり、毎年数百人が死亡、行方不明になっている。
2024年4月14日/ブラジル、北部パラ州の海岸、死体が見つかったボート(Getty Images)

ブラジル北部パラ州沖で9人の遺体を乗せたボートが見つかった事件について、捜査当局は16日、西アフリカ諸国の移民である可能性が高いと明らかにした。

司法長官事務所は13日の声明で、最大20人の遺体を乗せたボートが州都ベレンの沖合約300キロの地点で見つかったと報告。その後、死者数を9人に訂正していた。

捜査当局によると、ボートに残されていたレインコートの数から、少なくとも25人が乗っていた可能性があるという。

捜査当局は16日午後の声明で、「9人はモーリタニアやマリなどの移民であるとみられる」と発表。州警察が死因を調べている。

それによると、このボートはモーリタニアの漁師が使っているものと特徴が似ており、アフリカ北西部・スペイン領カナリア諸島を目指していた可能性があるという。

9人の遺体は腐敗が進み、一部白骨化していたと報告されている。

アフリカ北西部からカナリア諸島への亡命を目指す航路は世界で最も危険なルートのひとつであり、毎年数百人が死亡、行方不明になっている。

スペイン内務省が先月公表した統計によると、今年カナリア諸島に到着した移民は2月末時点で約1万2000人。昨年同時期の6倍以上に急増したという。

その大半がモリータニアから出港したとみられる。昨年通年の到着者は過去最多の5万5618人であった。

カナリア諸島への進路を見失った移民が助かる可能性はゼロに近い。生存者によると、途中で脱水症状・栄養失調で命を落とす者や自暴自棄になって海に飛び込む者もいるという。

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