◎チリ当局によると、ラノララク山の焼失面積は42ヘクタール(東京ドーム9個分)にとどまったものの、そこにあるモアイ像約100体が影響を受け、そのうち約20体の被害は深刻だという。
2022年10月4日/チリ領イースター島、ラノララク山周辺(Municipalidad de Rapa Nui)

チリ当局は8日、イースター島のラノララク山周辺で発生した森林火災について、多くのモアイ像が修復不可能な損傷を受けたと報告した。

火災は3日に発生したと報告されている。火元は明らかにされておらず、被害の全容もまだ分かっていない。チリ当局が調査を進めている。

エドムンズ(Pedro Edmunds)首長は地元メディアのインタビューで、「修復不可能な計り知れない被害を受けた」と説明していた。

ラノララク山はユネスコ世界遺産に登録されており、その周辺には数百体のモアイ像が設置されている。

チリ当局によると、ラノララク山の焼失面積は42ヘクタール(東京ドーム9個分)にとどまったものの、そこにあるモアイ像約100体が影響を受け、そのうち約20体の被害は深刻だという。また、山の外側でも被害が報告された。

調査チームの代表は地元ラジオ局のインタビューで、「被災したモアイ像の表面は高温で石灰化しており、それはいずれ亀裂となり、崩れ始めるだろう」と説明した。

一方、エドムンズ氏は島内で牛や馬を飼育し、定期的に草地を焼いている一部の住民を非難したが、火元には言及しなかった。

調査チームの代表はインタビューの中で連邦政府を非難した。「事故や火災を防ぐには予算が必要です。しかし、イースター島には予算も資源もありません...」

国立公園を管理しているマウヘヌア・コミュニティ(Ma'u Henua Indigenous Community)によると、イースター島には森林火災に対応できる消防士がいないという。

イースター島はチリの沖合約3500kmに位置する観光産業に特化した島で、コロナの大流行で2年間閉鎖され、8月に観光客の受け入れを再開したばかりだった。

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