◎連邦政府の予算は主に高速道路、港湾、エネルギー効率化、スラム街の開発プログラムなどに充てられる予定。
2023年8月9日/ブラジルのダシルバ大統領(Eraldo Peres/AP通信)

ブラジルのダシルバ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領が11日、同国の経済と雇用を活性化する取り組みの一環として、今後4年間で道路や電力網などのインフラに1兆レアル(約2000億ドル、30兆円)を投資する計画を発表した。

このインフラ増強計画はアナリストや投資家から懐疑的な目で見られている。

過去の野心的なインフラ開発は日の目を見ることのなかった無駄な事業や国家公務員による汚職を拡大させたと批判を浴びている。

ダシルバ氏によると、連邦政府の予算は主に高速道路、港湾、エネルギー効率化、スラム街の開発プログラムなどに充てられる予定だという。

ダシルバ氏はリオデジャネイロで行われた中央政府、州政府、民間セクターの代表らによる会合でこの計画を公表し、官民を挙げてインフラに投資することで経済を活性化させ、雇用を生み出すことができると語った。

またダシルバ氏は一連のインフラ開発・改修・修繕について、「国内各地の具体的なニーズを反映したものになる」と述べ、州政府や自治体の要望を聞きながら計画を具体化していくと強調した。

中央政府は1兆レアルもの予算をどのように調達するかは明らかにしていないが、その多くが国債で賄われるとみられる。

国会は8月31日までに来年の予算案を審議する予定だ。ダシルバ氏は来年からこの計画を実行に移したいと表明しており、調査工事費等を来年の予算に盛り込むためには、国会の承認を得たうえで、年末までに骨子をまとめる必要がある。

AP通信は政府関係者の話しとして、「今後4年間の投資額は民間を含めると1兆7000億レアル(50兆円)に達すると見込まれる」と報じた。

ブラジルの投資家は左派党による散財が加速することに不安を感じている。

過去のインフラ開発予算は「収益性ゼロ」「維持費膨大」なインフラに充てられることがあまりにも多かった。その一部は未完成のまま放置され、雑草が生い茂っている。

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