◎ボルソナロ氏は昨年の大統領選を前に権力を乱用したとして告発された。
ブラジルのボルソナロ前大統領(Getty Images/EPA通信)

ブラジルの高等選挙裁判所は30日、職権乱用で告発されているボルソナロ(Jair Bolsonaro)前大統領の被選挙権を8年間剥奪すると発表した。

報道によると、高裁は2030年までボルソナロ氏の被選挙権を剥奪する決議案を賛成5ー反対2で採択したという。

ボルソナロ氏は昨年の大統領選前に権力を乱用したとして告発された。

同氏は電子投票システムがハッキングされるなど、虚偽の主張を繰り返し、民主主義を弱体化させたとして非難されている。

ボルソナロ氏の弁護団は判決を不服として控訴する見込みだ。

弁護団は一連の発言と選挙結果に関連はないと主張している。

被選挙権の剥奪期間は大統領選が行われた2022年10月から8年間としている。

この決定が確定すれば、ボルソナロ氏は2026年の大統領選に立候補できなくなるが、2030年には再出馬が可能となる。

また、2024と28年に予定されている地方自治体選にも出馬できなくなる。

ボルソナロ氏はこの決定を「背後からの攻撃」と呼び、右派政治を前進させるために戦い続けると表明した。

高裁によると、ボルソナロ氏は昨年7月、自邸に外国の外交官らを招いた際、大統領選などで使用される電子投票システムについて虚偽の主張を繰り返したとされる。

ボルソナロ陣営はこの告発について、「ブラジルの選挙システムを概説しただけであり、選挙制度を批判したり攻撃したことはない」と反論している。

この演説は大統領選のさなかに行われ、物議を醸した。

大統領選は決選投票にもつれ込み、左派のダシルバ(Luiz Inácio Lula da Silva)氏が僅差で勝利を収めた。

ボルソナロ氏は公の場で敗北を認めず、ダリルバ氏が大統領に就任する2日前にブラジルを発ち、米フロリダに向かった。

選挙結果を受け入れないボルソナロ氏の支持者たちは今年1月、連邦議会、大統領官邸、最高裁のあるビルを一時占拠した。

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