ブラジル当局、米国務省高官2人のビザ発給を拒否、大統領選対策の一環
今回の対応の背景には、ブラジル国内で続く選挙制度を巡る対立がある。
とトランプ米大統領(Getty-Images).jpg)
ブラジル政府が10月に行われる大統領選挙を前に、米国務省高官2人に対する査証(ビザ)の発給を拒否していたことが分かった。ブラジル側はこの2人が同国の電子投票システムへの不信感を広めることを目的に訪問を計画していたと判断した。一方、米国務省は「民主主義や人権に関する通常の外交活動だった」と説明し、介入の意図を否定している。
ビザを拒否されたのは国務省のバーンズ(Riley M. Barnes)国務次官補とサムソン(Samuel David Samson)国務副次官補。ロイター通信によると、両氏はブラジルを訪問し、電子投票システムの信頼性に疑問を呈する活動を計画していたという。ブラジル政府はこの動きが大統領選を前に政治的混乱を招く恐れがあると判断し、入国を認めなかった。
今回の対応の背景には、ブラジル国内で続く選挙制度を巡る対立がある。再選を目指す現職のルラ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領はトランプ(Donald Trump)米大統領の盟友であるボルソナロ(Jair Bolsonaro)前大統領の長男フラビオ・ボルソナロ(Flávio Bolsonaro)上院議員の挑戦を受けることになる。
フラビオ氏は近年、電子投票機の安全性に疑問を投げかける発言を繰り返しており、不正投票に利用される可能性を示唆してきたが、具体的な証拠は示していない。選挙当局や投票機メーカーはこうした主張を否定している。
ボルソナロ前大統領は2022大統領選敗北後、選挙結果を覆そうとしたとして実刑判決を受け、自宅軟禁下に置かれている。前大統領は在任中から電子投票制度に関する偽情報を発信し続けてきた。その手法は2020米大統領選で不正を主張したトランプ氏と重なる。
ブラジルと米国の関係は近年、通商政策や司法問題を巡って緊張が高まっている。今回のビザ拒否は、外国政府による選挙への影響力行使を阻止する姿勢を明確に示したものと受け止められている。
一方で、米側は今回の訪問計画は通常の外交活動の一環だったと主張しており、両国間の認識の隔たりが改めて浮き彫りとなった。
