ブラジル・ルラ大統領、財政規律へのコミットメント再表明へ、再選後の市場不安に対応
10月25日の決選投票以来、金融市場では不安が広がっている。
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ブラジルのルラ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領は11月8日、再選後初めてとなるテレビ演説で、財政規律を重視する姿勢を改めて表明する見通しだ。ロイター通信が4日、政府関係者の話しとして報じた。それによると、演説では具体的な財政措置の発表は予定されておらず、2027年1月に始まる新政権の経済政策やその他主要課題について、基本方針を示すとみられる。
10月25日の決選投票以来、金融市場では不安が広がっている。通貨レアルは下落し、株価も値を下げ、金利は上昇した。市場関係者は、政府支出の拡大を重視するルラ氏の経済政策や、財務相を含む次期経済チームの人事が不透明なことを懸念している。
選挙期間中、ルラ氏の経済顧問らは財政調整に取り組み、議会に提出された予算指針に沿って基礎的財政収支の黒字目標を達成すると約束した。政府は2030年までに国内総生産(GDP)比1.3%の基礎的財政黒字を実現する目標を掲げている。今年は同0.4%の赤字が見込まれており、今後数年間で大幅な改善が必要となる。
しかし、目標達成に向けた具体策はほとんど明らかになっていない。年金や社会保障などの支出が増加する一方、選挙戦では社会政策の拡充や国民負担の軽減を約束しており、歳出削減には政治的な抵抗が予想される。与党内にも厳しい財政引き締めに反対する声があり、財政再建と公約の両立は容易ではない。
ブラジルの政府債務はルラ政権下で拡大し、9月時点の総債務はGDP比82.9%に達した。財政運営への懸念は国債のリスクプレミアムを押し上げ、借入金利の高止まりにもつながっている。中央銀行の政策金利は13.75%で、利払い負担も財政を圧迫してきた。
今回の演説は、再選後に動揺する市場に対し、財政健全化への意思を示す狙いがある。ただし、具体的な歳出削減策や増収策が示されなければ、投資家の懸念を払拭するのは難しい。新政権は社会政策を維持しながら債務拡大を抑えるという難題に直面している。
