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ブラジル大統領がフォアグラの生産・販売禁じる法案に署名、フランス激怒

新法では国内での生産だけでなく販売も禁止されるため、フランスなどからの輸入品も事実上市場から姿を消すことになる。
フォアグラのイメージ(Getty Images)

ブラジルののルラ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領は24日、フォアグラの生産と販売を全国で禁止する法案に署名した。フォアグラはカモやガチョウに強制的に餌を与えて肝臓を肥大化させて作る高級食材として知られるが、動物福祉の観点から欧米を中心に批判が強まっている。今回の法制化により、ブラジルは中南米で初めてフォアグラの生産と販売を包括的に禁止する国となった。

新法では国内での生産だけでなく販売も禁止されるため、フランスなどからの輸入品も事実上市場から姿を消すことになる。ブラジル国内でのフォアグラ生産量はもともと多くないが、主にフランスから輸入される高級食材としてレストランなどで提供されてきた。販売まで禁止対象としたことで、輸入ルートも遮断されることになり、フランスの生産者への影響は避けられない。

連邦議会は圧倒的賛成多数で法案を可決、ルラ氏の署名で成立した。成立前にはフランス政府関係者が拒否権を行使するようルラ氏に働きかけたとされ、フォアグラはフランスの伝統的な食文化であり、生産方法も適切な動物管理の下で行われていると理解を求めていた。しかしルラ氏は署名を選択し、動物保護を重視する姿勢を明確にした。

これに対し、フランスのフォアグラ業界団体CIFOGは強く反発した。同団体は今回の措置が欧州連合(EU)と南米南部共同市場(メルコスール)が今年1月に署名した自由貿易協定の精神に反すると主張している。

フランスはこれまで同協定の批准に慎重な姿勢を示してきたが、その背景には農業分野の競争激化への懸念に加え、フォアグラなど高付加価値食品の輸出拡大を期待していた事情もあるとされる。今回の禁止措置は、両国間の新たな外交・通商上の火種となる可能性がある。

一方、動物愛護団体は今回の決定を歓迎している。フォアグラの生産では金属製の管を鳥の喉に挿入して大量の餌を与える「強制給餌」が行われるため、長年にわたり動物虐待との批判が続いてきた。EUは2022年の報告書で一定の飼育基準が守られているとの見解を示しているが、ブラジルの活動家は「強制給餌=拷問」と反論し、全面禁止を求めてきた。

ブラジルは近年、環境保護や動物福祉を重視する政策を打ち出しており、今回の法律もその流れに沿ったものといえる。一方で、食文化や貿易を重視するフランスとの認識の違いが鮮明となり、EU・メルコスール協定の今後の運用にも影響を及ぼす可能性がある。

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