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2026ブラジル大統領選、女性票を意識、ルラ氏らが暴力対策を相次ぎ公約

女性への暴力を巡る問題が選挙戦で注目される背景には、深刻な被害状況がある。
2026年8月2日/ブラジル、リオデジャネイロ、フェミサイドに抗議するデモ(AP通信)

ブラジルで10月4日に行われる大統領選を前に、女性への暴力対策が争点の一つとなっている。現職のルラ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領と、対立候補のフラビオ・ボルソナロ(Flávio Bolsonaro)上院議員は女性有権者を意識し、それぞれ異なる政策を打ち出している。女性はブラジルの有権者の53%を占める。

フラビオ氏は9月の選挙集会で大型のナイフを手に登壇し、強硬な犯罪対策を訴えた。性犯罪者や児童虐待者への化学的去勢を導入すると主張しているほか、暴力被害者が通報や保護命令の申請、支援を受けられる人工知能(AI)を利用した支援システムの創設、被害者向けシェルターの拡充も掲げている。

一方、ルラ氏は現在の女性保護策を拡充する方針を示している。特に、加害者に電子足輪を装着させ、位置情報をリアルタイムで監視する制度を重視している。両氏はいずれも女性への暴力に対する刑罰強化を訴えているが、実際の法改正には議会の承認が必要である。

女性への暴力を巡る問題が選挙戦で注目される背景には、深刻な被害状況がある。地元の人権団体による2025年の報告では、調査開始以降で過去最多となる割合の女性が、1年間に性的またはジェンダーに基づく暴力の被害を経験した。また2025年には、女性であることを理由とした殺害などを含む「フェミサイド」の被害者が1571人に達し、2015年の法制化以降で最多となった。

こうした状況を受け、女性団体は候補者に対し、公約を具体的な政策につなげるよう求めている。女性への暴力を優先課題とすることや、女性嫌悪を犯罪として扱う法案への賛成などを候補者に約束させる活動も行われている。

女性の政治参加そのものも課題となっている。ブラジルでは女性が有権者の過半数を占める一方、国会議員に占める女性の割合は19%にとどまり、ラテンアメリカで最も低い水準とされる。さらに今回の下院選に立候補した女性の数は2022年と比べて24%減少した。

今回の選挙では、女性への暴力をめぐる具体策と、その実施に必要な予算や制度運用が問われている。女性団体は超党派による政策実現を求めており、選挙期間中に示された公約を当選後の政策へどう結びつけるかが焦点となっている。

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