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アルゼンチン大統領、英領フォークランド諸島の石油開発企業に制裁へ、領有権主張を強化

ミレイ氏はテレビ演説で、アルゼンチンの許可を得ずに同諸島周辺で石油・天然ガス事業を行う企業への制裁を迅速化する大統領令を出す考えを示した。
2025年9月23日/米ニューヨークの国連本部、トランプ大統領(右)とアルゼンチンのミレイ大統領(ロイター通信)

アルゼンチンのミレイ(Javier Milei)大統領は3日、イギリスが実効支配する南大西洋のフォークランド諸島周辺で石油開発に関わる企業に対し、制裁を強化する方針を表明した。アルゼンチンが「マルビナス諸島」と呼ぶ同諸島の領有権を改めて主張し、石油資源の開発を自国の主権に対する侵害と位置付けて対抗する構えだ。

ミレイ氏はテレビ演説で、アルゼンチンの許可を得ずに同諸島周辺で石油・天然ガス事業を行う企業への制裁を迅速化する大統領令を出す考えを示した。さらに議会に「国家主権防衛」に関する法案を提出し、無許可の資源開発に関与する企業だけでなく、関連する供給業者などにも制裁対象を広げる方針を明らかにした。

焦点となっているのが、フォークランド諸島北方海域の「シー・ライオン」油田だ。英ロックホッパー・エクスプロレーションとイスラエル系ナビタス・ペトロリアムが関わる大型開発で、推定埋蔵量は約17億バレルに上る。両社は英国で取得したライセンスは合法だと主張しており、アルゼンチンによる制裁方針が直ちに事業計画を変更させる状況にはないとしている。

今回の動きにはトランプ(Donald Trump)米大統領の発言も影響している。トランプ氏は3日、これまで米国が取ってきたフォークランド諸島を巡る立場を見直す可能性に言及。ミレイ氏はこれをアルゼンチンの領有権主張に追い風となる変化と受け止めている。米国は1982年のフォークランド紛争以降、英国寄りの立場を基本としながらも、近年は領有権問題で中立姿勢を取ってきた。

一方、英国政府は領有権を巡る立場を変えていない。英国側は島民には自らの政治的地位を決定する権利があるとし、フォークランド諸島に対する英国の立場は揺るがないと強調している。2013年に行われた住民投票では、圧倒的多数が英国海外領土として残ることを支持しており、英国は島民の意思を重視してきた。

アルゼンチンと英国は1982年にフォークランドをめぐって戦い、アルゼンチンの敗北後も領有権問題は解決していない。ミレイ氏は軍事衝突ではなく、外交による領有権回復を掲げてきたが、今回の制裁強化や防衛力強化の方針は、従来より踏み込んだ対応といえる。

石油開発をめぐる対立が経済制裁だけでなく、南大西洋の安全保障問題へ発展するかが今後の焦点となる。

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