◎下院共和党は多数派に返り咲くことを想定し、準備を進めている。
2022年3月8日/ワシントンD.C.議会議事堂、民主党のシューマ―上院院内総務(J. Scott Applewhite/AP通信)

米主要メディアは12日、民主党が上院の支配権を維持したと報じた。

ABCニュースによると、ネバダ州の上院選は民主党の現職コルテスマスト(Catherine Cortez Masto)議員が議席を確保したという。これで上院の勢力は民主50ー共和49となった。

民主党はハリス(Kamala Harris)副大統領が上院を主催しているため、来月予定されているジョージア州の上院決選投票の結果をまたずに上院で多数派を維持することが確実となった。

この勝利はバイデン(Joe Biden)大統領の任期後半の政策や主要法案を後押しするだろう。

下院の開票作業も続いている。

ABCは13日時点で当選が確実なのは民主206ー共和211(定数436)と報じている。共和党はトランプ(Donald Trump)前大統領が起こしたと信じられている「レッドウェーブ」に乗り切れず、足踏み状態が続いている。

しかし、下院共和党は多数派に返り咲くことを想定し、準備を進めている。

民主党のシューマー(Chuck Schumer)上院院内総務は13日遅く、勝利を祝う時間を取った。

シューマー氏はマンハッタンの事務所で記者団に対し、「民主党と我々の政策、米国と米国民、そして民主主義が勝利した」と語った。

またシューマー氏はトランプ氏を念頭に置き、「米国民はMAGA(Make America Great Again)共和党の反民主主義、権威主義、意地悪、そして分裂的なやり方を拒否した」と強調した。

上院の運命はアリゾナ州やペンシルベニア州など、ほんの一握りの激戦区に絞られた。バイデン氏は選挙戦終盤まで集会を控え、オバマ(Barack Obama)元大統領やその他の重鎮に集会を依頼。最後の最後でこれらの激戦州に登場し、民主党への支持を呼びかけた。

各紙やメディアの世論調査は共和党が上下両院で多数派を奪還すると予想していたが、民主党は歴史的なインフレが続く中で何とか勝利を収めた。

アリゾナ州ではケリー(Mark Kelly)上院議員が共和党候補を破った。ペンシルベニア州ではフェッターマン(John Fetterman)候補がトランプ氏の支持を受けたオズ(Mehmet Oz)候補を破った。

ジョージア州の決選投票は12月6日に行われる予定だ。民主党の現職ウォーノック(Raphael Warnock)議員が共和党の元アメフトスターの挑戦を受ける。

共和党のマコネル(Mitch McConnell)上院少数党首は今年初め、候補者の質に疑問を呈し、レッドウェーブへの期待を和らげた。同氏は名前は挙げなかったが、物議を醸した候補はいずれも苦戦を強いられている。

ABCニュースは共和党幹部の話を引用し、「上院より下院に期待している。上院選の勝敗は知名度より候補の資質に左右されるため、より厳しい戦いになる」と報じている。

報道によると、共和党は上院選キャンペーンに少なくとも2億3000万ドルを費やしたという。民主党は1億5000万ドルと推定されている。

ドナルド・トランプ前大統領(Getty Images)
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