トランプ氏のWSJ提訴、連邦地裁が棄却、エプスタイン氏への誕生日メッセージ報道めぐる名誉毀損訴訟

訴訟の発端は、WSJが2025年7月に掲載した、故ジェフリー・エプスタイン氏の50歳の誕生日を祝うため2003年に作成された記念アルバムに関する記事だ。
2026年10月30日/米フロリダ州デイトナビーチで行われた共和党集会、トランプ大統領(AP通信)

米フロリダ州の連邦裁判所は10月31日、トランプ(Donald Trump)大統領がウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の報道をめぐり、同紙や親会社幹部らに対して起こした名誉毀損訴訟を棄却した。今回の棄却は「再提訴を認めない形」で、同じ内容で訴え直すことはできない。地裁はトランプ氏側が同紙による悪意ある報道を立証するための法的要件を満たしていないと判断した。

訴訟の発端は、WSJが2025年7月に掲載した、故ジェフリー・エプスタイン(Jeffrey Edward Epstein)氏の50歳の誕生日を祝うため2003年に作成された記念アルバムに関する記事だ。WSJはトランプ氏の名前が記されたメッセージが収録されており、裸の女性を描いた輪郭の中に性的な含みを持つ文章が書かれていたと報じた。文末には「もう一つの素晴らしい秘密」という趣旨の表現もあったという。

トランプ氏はメッセージの作成や署名を否定し、記事を虚偽で名誉を傷つけるものだと主張。WSJや親会社ダウ・ジョーンズらを相手取り、100億ドルの損害賠償を求めて提訴していた。

一方、記事で取り上げられた誕生日アルバムはその後、連邦議会下院の委員会がエプスタイン氏の遺産管理団体から提出を受け、一部を公開した。トランプ氏名義のメッセージも含まれていたが、本人は真正性を否定している。

地裁は報道機関が公人について名誉毀損を行ったと認められるには、虚偽と知りながら掲載した、または真偽を顧みず掲載したことを示す「現実の悪意」の立証が必要だと指摘。今回の訴状はその基準を満たしておらず、報道の調査過程に問題があったとする主張も不十分だと判断した。

なお、判事はメッセージを実際にトランプ氏が書いたかどうかについて、司法判断を示していない。今回の決定は報道内容の真偽そのものではなく、名誉毀損を成立させる法的要件に関する判断となった。

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