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米国の食料品価格急騰、トマト、魚介類、コーヒーなど

労働省が12日に公表したデータによると、4月の生鮮野菜価格は前年同月比で11.5%上昇、魚介類も6.2%値上がりした。
米ニューヨーク州のスーパーマーケット(Getty Images)

米国で食料品価格の上昇が家計を圧迫している。特にトマトや魚介類、牛肉、コーヒーなどの値上がりが目立ち、2026年4月の食品価格は約4年ぶりの高い伸びを記録した。背景には中東情勢の悪化による原油価格高騰、輸送コスト増加、異常気象、さらには関税政策まで複数の要因が重なっている。

労働省が12日に公表したデータによると、4月の生鮮野菜価格は前年同月比で11.5%上昇、魚介類も6.2%値上がりした。なかでもトマト価格は約39%も高騰しており、消費者の負担感が急速に強まっている。

最大の要因がイラン情勢を受けたエネルギー市場の混乱だ。ホルムズ海峡の封鎖によって原油供給が滞り、ディーゼル燃料価格は前年比で約60%上昇した。ディーゼルはトラック輸送や漁船、農業機械を動かす重要な燃料であり、物流コストの上昇がそのまま食品価格へ転嫁されている。特に鮮度管理が必要な野菜や肉類、水産物は輸送費の影響を受けやすく、価格高騰が顕著になっている。

トマト価格の急騰には、燃料高に加えてメキシコ産トマトへの17%関税も影響している。米国は大量のトマトをメキシコから輸入しているが、現地では豪雨や病害の影響で生産量が減少した。供給不足に関税負担が重なり、価格上昇に拍車を掛けた形だ。フロリダ州でも寒波による被害が発生し、国内供給も不安定になっている。

魚介類の値上がりも深刻だ。南部のエビ漁業団体は燃料費高騰によって採算が合わず、出漁を断念する船も出ていると明らかにした。漁業では燃料費が総コストの3~5割を占めるため、ディーゼル価格上昇の打撃が大きい。供給減少によってスーパー店頭価格も上昇し、家計への影響が広がっている。

さらに、干ばつなど異常気象も価格を押し上げている。牛肉価格は前年より約15%高く、コーヒー価格も18%以上上昇した。牛の飼育コスト増加や牧草不足、主要コーヒー産地での不作が背景にある。専門家は「今回の食品インフレは単なる一時的な燃料高ではなく、気候変動や地政学リスク、貿易政策が複雑に絡み合った結果だ」と指摘している。

一方で、卵やバターなど一部食品は価格が下落している。鳥インフルエンザで減少した鶏の飼育数が回復したことで卵価格は大きく下がった。ただ、専門家はエネルギー高騰の影響が本格的に食品価格へ反映されるまで数カ月かかるとみており、今後さらに値上がりが進む可能性もある。

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