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米国2026年4月インフレ率3.8%、3年ぶりの高水準に

今回の物価上昇では、エネルギー価格の影響が際立っている。
米カリフォルニア州の食料品店(Getty Images)

米国の消費者物価指数(CPI)が約3年ぶりの高水準に達し、家計と金融市場に大きな衝撃を与えている。労働省が12日に発表した2026年4月のインフレ率は前年同月比で3.8%増となり、2023年以来の高い伸びを記録した。背景には中東情勢の悪化に伴う原油価格の急騰があり、とりわけガソリン価格の上昇が全体を押し上げた。

今回の物価上昇では、エネルギー価格の影響が際立っている。ガソリン価格は4月だけで5%以上上昇し、前年と比べると約30%近い値上がりとなった。イラン情勢の緊迫化によってホルムズ海峡の物流が混乱し、世界的な原油供給への懸念が高まったことが主因である。エネルギー価格の高騰は輸送費や食品価格にも波及し、航空運賃や食料品、日用品など幅広い分野で価格上昇が進んでいる。

一方、食品とエネルギーを除いた「コアインフレ率」も2.8%上昇、単なる一時的なエネルギーショックでは済まない可能性が指摘されている。市場ではインフレ圧力がサービス業や住宅関連費用にも広がっているとの見方が強まっている。こうした状況を受け、連邦準備制度理事会(FRB)が早期の利下げに踏み切る可能性は後退した。投資家の間では、年内を通じて高金利政策が維持されるとの観測が広がっている。

インフレの再加速は米国民の生活にも直接的な影響を与えている。物価上昇が賃金の伸びを上回ったことで実質賃金が低下し、特に中低所得層の家計負担が増している。消費者マインドも悪化傾向を示しており、一部の専門家は景気停滞と物価高が同時進行する「スタグフレーション」への懸念を強めている。

トランプ政権はガソリン税の一時停止などを通じて家計負担の軽減を図る姿勢を示している。しかし、エネルギー価格の高騰が長期化すれば、物価上昇はさらに広範囲へ波及する可能性が高い。市場では、今後の中東情勢と原油価格の動向が米国経済の先行きを左右する最大の要因になるとの見方が強まっている。

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