プーチン氏、新型弾道ミサイル「サルマト」を称賛、発射実験成功
サルマトは旧ソ連時代に開発されたICBM「ボエボダ(西側コードネーム・サタン)」の後継として開発された兵器で、西側では「サタン2」と呼ばれている。
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ロシアのプーチン(Vladimir Putin)大統領は12日、新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「サルマト」の発射実験成功を発表し、「世界で最も強力なミサイルだ」と誇示した。ロシアは近年、核戦力の近代化を急速に進めており、今回の発表は欧米諸国への威嚇と軍事的存在感の誇示を狙ったものとみられている。ウクライナ侵攻が長期化する中、ロシアが再び核戦力を前面に押し出したことで、国際社会では新たな軍拡競争への懸念が高まっている。
サルマトは旧ソ連時代に開発されたICBM「ボエボダ(西側コードネーム・サタン)」の後継として開発された兵器で、西側では「サタン2」と呼ばれている。プーチン氏はサルマトについて「西側のいかなるミサイル防衛システムも突破できる」と述べ、弾頭の破壊力は欧米諸国の同種兵器を大きく上回ると主張した。
ロシア政府によると、サルマトの射程は3万5000キロ以上に達し、通常の弾道飛行だけでなく、低軌道を利用した変則飛行も可能だという。これにより迎撃が極めて困難になると説明している。
今回の実験はロシア極北アルハンゲリスク州の基地で行われた。戦略ロケット部隊の司令官はプーチン氏への報告で、発射が成功し、年内にも実戦配備が始まるとの見通しを示した。一方で、サルマト開発はこれまで度重なる失敗に見舞われてきた。2024年には試験中に爆発し、発射施設に巨大なクレーターが生じたと西側専門家が分析している。今回の成功はロシアにとって技術的・政治的に重要な意味を持つ。
プーチン政権は2018年以降、次世代戦略兵器の開発を積極的に進めてきた。極超音速滑空兵器「アバンガルド」、原子力推進巡航ミサイル「ブレベストニク」、無人核魚雷「ポセイドン」など、既存の防衛網を突破可能とされる兵器群を相次いで公表している。ロシア側は米国が2001年に弾道弾迎撃ミサイル制限条約(ABM条約)から離脱し、ミサイル防衛システムを拡充したことへの対抗措置だと説明している。プーチン氏は「戦略的均衡を維持するために必要な対応だった」と強調した。
一方、欧米諸国ではロシアの核戦力強化に対する警戒感が一段と強まっている。今年2月には米露間で唯一残されていた核軍縮条約が失効し、世界最大の核保有国同士を拘束する枠組みが消滅した。これにより、冷戦終結以来続いていた核兵器管理体制が大きく揺らいでいる。専門家の間では、ロシアと米国が再び制限のない核軍拡競争に突入する可能性が指摘されている。
今回の発射実験はウクライナ情勢とも密接に結びついている。プーチン氏はウクライナ支援を続ける欧米諸国をけん制するため、繰り返し核兵器に言及してきた。今回も「世界最強」を強調することで、軍事的優位を誇示し、西側諸国に圧力をかける狙いがあるとみられる。しかし、専門家の中には、ロシア側の性能説明には誇張が含まれている可能性があるとの見方もあり、実際の能力については不透明な部分も残されている。
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