ナイジェリア軍が市場を空爆、民間人100人死亡=アムネスティ
空爆が行われた5月11日、ザムファラ州ズルミの市場が標的になった。
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ナイジェリア北西部ザムファラ州で行われた軍の空爆を巡り、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは12日、少なくとも100人の民間人が死亡したと主張し、国内外に衝撃が広がっている。現地では市場が攻撃を受け、多数の女性や子どもが犠牲になったとされる一方、ナイジェリア軍は「民間人を標的にした事実はない」と反論している。事件は同国軍による誤爆疑惑が繰り返されている現状を改めて浮き彫りにした。
空爆が行われた5月11日、ザムファラ州ズルミの市場が標的になった。アムネスティによると、軍用機が市場上空を旋回した後、混雑していた市場に対して爆撃を行ったという。現地の赤十字関係者は少なくとも一つの集落だけで80人が埋葬されたと説明し、負傷者も多数に上るとみられている。病院には重傷者が相次いで搬送されたという。
アムネスティ・ナイジェリア支部の代表は声明で、「死亡した人々が武装勢力だった証拠はない」と述べ、犠牲者の多くは一般市民だったと強調した。同団体は今回の空爆を「違法な攻撃」と非難し、独立した調査を求めている。また、軍が過去にも民間人被害を過小評価してきたと指摘し、説明責任の欠如を問題視した。
これに対しナイジェリア軍は、空爆自体は認めながらも、「現時点で民間人の犠牲を示す確認済み証拠はない」と説明した。軍報道官は、「作戦では常に民間人被害を避ける措置を講じている」と述べ、標的は武装集団だったとの立場を示した。ザムファラ州では武装勢力による誘拐や襲撃事件が多発し、軍が掃討作戦を続けている。
ナイジェリアでは軍による誤爆問題が深刻化している。今年4月にも北東部ヨベ州の市場で空爆が行われ、200人以上が死亡したと報じられた。軍は当時、イスラム過激派ボコ・ハラム系勢力を狙った作戦だったと説明したが、住民側は犠牲者の多くが商人や一般市民だったと主張していた。AP通信の集計では、2017年以降、軍の誤爆などによって500人以上の民間人が死亡している。
専門家はナイジェリア軍における情報収集能力の不足や、地上部隊と空軍の連携不備が原因だと指摘している。武装勢力が住民に紛れて活動しているため、軍が戦闘員と民間人を識別できないケースも多い。だが、人権団体は「治安対策を理由に無差別攻撃が正当化されてはならない」と批判を強めている。今回の空爆を受け、国内では軍への不信感がさらに高まっており、政府に対して透明性ある調査と再発防止策を求める声が広がっている。
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