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ソマリアで干ばつ深刻化、数百万人が飢餓状態、危機的状況

ソマリアはもともと気候変動の影響を受けやすい国とされる。
2017年2月22日/ソマリアの難民キャンプ(Getty Images/AFP通信)

アフリカ東部・ソマリアで記録的な干ばつが続き、数百万人が飢餓の危機に直面している。国連や支援団体は「過去最悪規模の干ばつになりかねない」と警鐘を鳴らしているが、国際社会からの人道支援は大幅に縮小しており、現地では食料や水の不足が深刻化している。

AP通信によると、北東部プントランド自治区では3年間にわたり十分な雨が降っておらず、多くの家畜が死んだ。70歳の遊牧民は飼っていた数百頭のヤギの大半を失い、水を買うために借金を抱えている。家族は1日1回、米に砂糖と油を混ぜた簡素な食事しか取れない状態だという。生まれたばかりの子どもには十分な母乳も与えられず、母親は「家族を養えず、見捨てることまで考えた」とAPに語った。

ソマリアはもともと気候変動の影響を受けやすい国とされる。国連食糧農業機関(FAO)によると、2025年末の雨季におけるトウモロコシやソルガムの生産量は過去最低を記録した。主要河川は干上がり、農地は枯れ、家畜も大量死している。国連世界食糧計画(WFP)は声明で、「2026年はソマリアの干ばつ史上、最悪の年だ。子どもたちがすでに命を落とし始めている」と述べた。

現在、約600万人が深刻な食料不足に陥っているとされ、人口の3分の1が危機的状況にある。特に5歳未満の子どもの栄養失調が深刻で、約50万人が重度の急性栄養失調に陥る恐れがあるという。これは2011年や2022年の大干ばつ時を上回る規模になる可能性がある。

しかし、支援体制は以前より後退している。ソマリア向け人道支援額は2022年には約23億8000万ドルだったが、今年は4月時点で1億6000万ドル程度に落ち込んだ。特に米国による支援削減の影響が大きく、WFPは本来200万人を支援する計画だったが、実際に支援できているのは30万人規模にとどまっている。

さらに、中東情勢の悪化も危機を深めている。ソマリアは食料の約7割を輸入に依存しており、イランを巡る軍事衝突の影響で燃料価格や輸送費が高騰した。栄養治療用食品の輸送も大幅に遅れ、病院では子どもへの治療食が不足している。

専門家は支援不足が続けば、一部地域で再び「飢饉」が発生する恐れがあると指摘している。内戦や武装勢力による治安悪化に加え、気候変動と国際支援の縮小が重なり、ソマリアは「援助なき時代」という新たな危機に直面している。

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