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モルディブのダイビングスポットでイタリア観光客5人死亡、海底洞窟を探索中

イタリア外務省によると、事故が発生したのはモルディブ中部のバア環礁周辺海域で、参加者らはスキューバダイビングによる洞窟探査ツアーに参加していた。
インド洋の島国モルディブのビーチ(AP通信)

インド洋の島国モルディブでダイビング中のイタリア人観光客5人が死亡する事故が発生した。イタリア外務省が14日に明らかにしたもので、事故は人気ダイビングスポットとして知られるバア環礁で起きた。5人は水深およそ50メートルの海底洞窟を探索中だったとされ、地元当局が事故原因を調べている。

イタリア外務省によると、事故が発生したのはモルディブ中部のバア環礁周辺海域で、参加者らはスキューバダイビングによる洞窟探査ツアーに参加していた。事故当時、海中では複雑な洞窟地形を進む高度な潜水が行われていたとみられる。外務省は5人の氏名や年齢など詳細を公表していないが、在スリランカ・イタリア大使館が家族への連絡や領事支援を進めているという。

現地メディアによると、ダイバーたちは観光用クルーザーから海に入り、海底洞窟を探索していたが、その後浮上してこなかったため捜索が始まった。警察と海上保安当局が出動し、遺体を収容した。事故当時は風が強く、天候も不安定だったとの情報があり、視界不良や潮流の変化が事故に影響した可能性がある。

また、一部報道では、使用していた混合ガスが事故原因になった可能性も指摘されている。深度50メートル級の潜水では、通常の空気ではなく酸素濃度を調整した「ナイトロックス」など特殊ガスを使用する場合があるが、酸素分圧の上昇による「酸素中毒」が発生すると、意識障害や痙攣を引き起こす危険がある。専門家は、深海洞窟ダイビングは一般的なレジャーダイビングよりはるかに危険性が高く、高度な訓練と厳格な安全管理が必要だと指摘している。

モルディブは世界有数のダイビング観光地として知られ、毎年多くの欧州観光客が訪れる。透明度の高い海と豊かなサンゴ礁、ジンベエザメやマンタなど大型海洋生物との遭遇で人気を集める一方、近年は深海洞窟や沈没船を巡る上級者向けツアーも増加している。しかし、こうした高難度ダイビングでは減圧症や機材トラブル、迷失事故などの危険が伴い、過去にも死亡事故が発生している。

イタリア国内では今回の事故に衝撃が広がっている。ロイター通信によると、犠牲者の中には大学教授や若い女性も含まれていたという。イタリア政府はモルディブ当局と連携し、事故原因の究明を進める方針だ。観光産業が主要経済基盤となっているモルディブにとっても、安全管理体制への信頼維持が重要課題となる。今回の事故は人気観光地におけるアドベンチャーツーリズムの危険性を改めて浮き彫りにした。

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