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ナイジェリア国家人権委員会、ザムファラ州の空爆について調査を要求、100人死亡

問題となっているのは、ザムファラ州ズルミ地区の市場で11日に行われた空爆である。
2024年6月30日/ナイジェリア、北東部ボルノ州、自爆テロが発生した結婚式場近くの通り(AP通信)

ナイジェリアで相次ぐ軍の空爆による民間人死亡を受け、同国の国家人権委員会(NHRC)は14日、軍に対して徹底的かつ迅速な調査を行うよう要求した。北西部ザムファラ州で発生した空爆では多数の一般市民が犠牲になったとされ、国内外から軍の作戦手法に対する批判が強まっている。

問題となっているのは、ザムファラ州ズルミ地区の市場で11日に行われた空爆である。国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは混雑していた市場に対する軍の空爆によって少なくとも100人の民間人が死亡したと発表した。犠牲者には女性や子どもも含まれているという。地元住民によると、軍用機が上空を旋回した後、市場を攻撃したとされ、多数の負傷者が周辺の病院に搬送された。

一方、国軍は空爆自体は認めているものの、「民間人被害を示す証拠は確認されていない」と説明している。軍はイスラム過激派や武装勢力への掃討作戦の一環だったとしており、作戦は情報に基づいて実施されたと主張している。

NHRCは声明で、武装勢力への対処は国家の正当な責務だとしながらも、「作戦は憲法や国際人道法を順守しなければならない」と強調した。また、「なぜこのような事態が繰り返されるのか。いつまで続くのか、国民は知る権利がある」と述べ、軍に説明責任を果たすよう求めた。

ナイジェリアでは近年、軍が武装勢力掃討のため空爆を多用している。北東部ではイスラム過激派ボコ・ハラムへの対策、北西部では「バンディット」と呼ばれる武装集団への対応が続いている。しかし、情報不足や地上部隊との連携不備などから誤爆が相次ぎ、民間人被害が深刻化している。AP通信によると、2017年以降、軍の空爆によって500人以上の一般市民が死亡したとされる。

今年4月にも北東部ヨベ州の市場で空爆があり、多数の死者が出た。軍はこの件について調査を開始したが、詳細は明らかになっていない。過去にも宗教行事の最中に村が誤爆されるなど、類似事件が繰り返されてきた。人権団体は「構造的問題だ」と指摘している。

さらに、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のターク(Volker Turk)高等弁務官も13日付の声明で、ザムファラ州での民間人死亡報告に「衝撃を受けた」と表明し、独立性と公平性を備えた調査を行うようナイジェリア政府に求めた。治安悪化が続く同国では、軍事作戦と人権保護の両立が大きな課題となっている。

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