イラン戦争で米国の家計負担拡大、ガソリンや航空運賃上昇、中間選挙前に物価高が重荷
エコノミストはイラン戦争による1家計あたりの負担を約2000ドルと推計する。
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米国とイランの戦争が始まって7カ月余りが経過し、米国の家計に物価高の影響が広がっている。中東からの石油輸送が混乱する中、ガソリンや航空運賃が大幅に上昇し、商品の製造・輸送コストも増加している。11月の中間選挙を前に、生活費の上昇が家計と政権にとって重い課題となっている。
米自動車協会(AAA)によると、レギュラーガソリンの全米平均価格は10月16日時点で1ガロン当たり4.33ドル(1ドル160円で、1リッター当たり約183円)となり、開戦前から45%上昇した。軽油は6.33ドルと68%高く、9月には過去最高の6.53ドル(1ドル160円で、1リットル当たり約276円)を記録した。軽油価格の上昇はトラック輸送などの費用を押し上げ、幅広い商品の価格にも波及する。ホルムズ海峡周辺の航行リスクが続けば、燃料価格の高止まりも懸念される。
航空業界でも燃料費の増加を受け、運賃や手数料の引き上げが進む。9月の航空運賃は前年同月比で約22%上昇した。航空各社は運航便の削減や増便計画の見直しにも動いており、座席供給の減少がさらなる運賃上昇につながる可能性がある。
一方、食料品価格への影響は現時点では比較的小さい。農務省は2026年の食料品価格が前年比で2.4%上昇すると予測する。ただ、軽油や肥料、冷蔵費用の増加が生産者や小売業者の負担となっており、企業がコストを吸収しきれなくなれば、値上げが広がる恐れがある。9月の食料品価格は5年前と比べ約22%高い水準にある。
靴の価格も上昇しており、9月は前年同月比3.4%高となった。合成素材の多くが石油化学製品に依存するため、原油高の影響を受けやすい。輸送・倉庫関連の企業向け価格も上昇し、郵政公社は4月、主要な小包配送サービスの基本料金を8%引き上げた。
エコノミストはイラン戦争による1家計あたりの負担を約2000ドルと推計する。このうち約1100ドルはエネルギー価格の上昇によるものだ。企業が当面コストを吸収していても、燃料高が長引けば消費者への転嫁が進む可能性がある。生活費への不満が強まる中、物価動向は中間選挙を左右する争点となりそうだ。
