◎マット・ゲーツ下院議員は全ての違法行為を否定している。
2021年4月9日/フロリダ州ドラルで開催された「Women for American First」で講演する共和党のマット・ゲーツ下院議員(マルタ・ラヴァンディエ/AP通信)

米ABCニュースによると、下院倫理委員会は共和党のマット・ゲーツ下院議員の児童買春とセックスドラッグ使用疑惑の調査を開始したという。

連邦捜査局(FBI)と司法省は、ゲーツ下院議員が専用のウェブサイトを通して17歳の少女に現金を渡し、セックスしたかどうかを調査している。

倫理委員会の声明によると、超党派で構成されるチームは、ゲーツ下院議員の性的違法行為、違法薬物(セックスドラッグ)の使用、州の身分証明書と選挙資金の悪用、および下院の規則に違反して賄賂または贈答品を受け取ったかどうかを調査するという。

ゲーツ下院議員は児童買春やセックスドラッグだけでなく、「裸の女性の写真や動画を別の下院議員と共有した」という申し立てにも直面しており、倫理委員会はこの疑惑も調査すると述べた。不埒な写真の共有疑惑はCNNニュースが最初に報じた。

一方、ゲーツ下院議員は全ての違法行為を否定している。

ゲーツ下院議員の事務所は9日の声明で、「繰り返しになりますが、これらの主張は明らかに虚偽であり、マット・ゲーツを貶める罠であることは明白です」と述べた。「マット・ゲーツは女性との関係に現金を支払ったことは一度もありません」

ゲーツ下院議員はフロリダ州ドラルで開催された女性版トランプサミット「ウーマン・フォー・アメリカン・ファースト(Women for American First)」の中で、一連のセックススキャンダルを否定した。「メディアは私の生活を勝手に歪んでいると報道しています。しかし、私は嘘つきメディアの脅迫に屈することはありません。私と同じ脅迫問題に直面している同士たちも詐欺師の恐喝を恐れていません。真実が勝ちます」

2021年4月9日/フロリダ州ドラルで開催された「Women for American First」で講演する共和党のマット・ゲーツ下院議員(マルタ・ラヴァンディエ/AP通信)

下院倫理委員会は、叱責、非難、除名のいずれかを下院に進言することができる。最初の2つは過半数で可決、除名は3分の2の賛成が必要。なお、ゲーツ下院議員が辞任した場合、委員会の調査はその時点で終了する。しかし、ゲーツ下院議員は4月5日に辞任しないと誓約した。

一方、2017年に10代の少女の人身売買に関与した疑いでFBIに起訴されたゲーツ下院議員の友人、元フロリダ州セミノール郡の収税吏のジョエル・グリーンバーグ被告が司法取引を検討していると報じられたことを受け、ゲーツ下院議員はマーク・ムカシー弁護士とイアベル・カーシュナー弁護士を雇ったと発表した。

マイケル・ミュケイジー元司法長官の息子であるムカシー弁護士は、ドナルド・トランプ前大統領弁護士を務めている。なお、ムカシー弁護士はトランプ・オーガナイゼーションの主任弁護士も務めており、現在、マンハッタン地方検事局とNY州検事総長のトランプ脱税疑惑調査に直面している。

下院倫理委員会は、共和党のトム・リード下院議員(NY州選出)が女性ロビイストを「手探り」したという疑惑についても調査を開始すると発表した。

リード下院議員は、2017年に開催されたネットワーキングイベントで女性ロビイストの背中をこすり、同意を得ずにブラジャーを外し、太ももを触った罪に問われている。

ブラジャーを外されたニコレット・デイビス氏はワシントン・ポスト紙の取材に対し、「リード議員は私の横に座っていました」と語った。「彼は服越しにブラの留め金をつまんでフックを外し、私の太ももに手をあてました」

リード下院議員はデイビス氏に謝罪したうえで、次の選挙には立候補せず、NY州知事選にも出馬しないと述べていたが、倫理委員会は厳しく調査すると強調した。

リード下院議員は9日の声明で、「私は倫理委員会と協力してこの問題に対処すると約束します」と述べた。

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