◎アメリカの人気ラッパー、DMX（ディー・エム・エックス）ことアール・シモンズ氏が亡くなった。
4月9日、アメリカの人気ラッパー、DMX（ディー・エム・エックス）ことアール・シモンズ氏が亡くなった。50歳だった。
ニューヨーク州ホワイトプレーンズは声明で、「シモンズ氏は4月2日の深夜に心臓発作を起こし、救急搬送されました」と述べた。「彼は戦い続けましたが、4月9日に亡くなりました」
遺族の声明によると、シモンズ氏は家族に看取られながら静かに息を引き取ったと言う。遺族は声明の中で次のように述べた。
「アールは最後まで戦いました。アールの音楽は世界中のファンに影響を与え、彼の象徴的な遺産は永遠に生き続けるでしょう」
「彼は心から家族を愛していました。私たちはかけがいのない家族を失いました」
「アールを愛してくれた全てのファン、スタッフ、関係者に感謝します。彼はステージを愛し、ステージに立てることに感謝し、ステージに立たせてくれるファンや全てのスタッフを愛していました」
「私たちは大切な家族を失い打ちひしがれています。家族のプライバシーを尊重してください」
DMXは1970年生まれ、出生地はNY州マウントバーノン。これまでにジェイ・Z、ジャ・ルール、LL・クール・Jなどのアーティストとコラボし、様々なイベントで多くのファンを魅了した。
1998年のデビューアルバム「It's Dark and Hell Is Hot」はいきなり全米チャート1位を獲得した。同作の全米売り上げは460万枚を超えている。
その後、セカンドアルバム「Flesh of My Flesh, Blood of My Blood」は全米340万枚以上、3枚目の「...And Then There Was X」全米で500万枚近い売り上げを記録し、世界を代表する人気ラッパーになった。
DMXは俳優としても活動し、ジェット・リー主演の「ロミオ・マスト・ダイ（原題：Romeo Must Die）」と「ブラック・ダイヤモンド（原題：Cradle 2 the Grave）」、スティーブン・セガール主演の「DENGEKI 電撃（原題：Exit Wounds）」などの作品に出演した。伝えられるところによると、DMXは新たな映画の制作に関わっていたという。
DMXは薬物乱用と何年にもわたって闘い、数多くのトラブルに見舞われてきた。
2004年、覆面捜査官を装ったDMXは、NY州ケネディ国際空港のセキュリティゲートを突破し、逮捕された。2008年には麻薬所持と動物虐待で逮捕され、2010年に保護観察条件違反で懲役1年の実刑判決を受けた。
2019年にはリハビリ施設に入所するためにツアーをキャンセルした。チームDMXはツアーのキャンセルを謝罪し、ファンの継続的なサポートに感謝していると述べた。
DMXのレコードレーベル「デフ・ジャム・レコーディングス（DefJam Recordings）」は声明で、「DMXは素晴らしいアーティストであり、世界中の何百万人もの人々にインスピレーションを与え続けています」と述べた。「DMXの闘争に対する勝利のメッセージ、暗闇の先にある光の探求、真実と恵みの追求は多くのファンを魅了しました。私たちは音楽界の巨人を失いました」
＜DMXのディスコグラフィー＞
・It's Dark and Hell Is Hot（1998）全米売上467.4万枚
・Flesh of My Flesh, Blood of My Blood（1998）全米売上341.7万枚
・...And Then There Was X（1999）全米売上495万枚
・The Great Depression（2001）全米売上186.2万枚
・Grand Champ（2003）全米売上175万枚
・Year of the Dog... Again（2006）全米売上29.7万枚
・Undisputed（2012）全米売上5.4万枚
