米パラマウント、訴訟完了までワーナー買収延期、反トラスト法違反
今回の買収計画は映画スタジオやテレビネットワーク、動画配信サービスなど幅広い分野を統合するもので、実現すれば世界のメディア業界に大きな影響を与えるとみられている。
.jpg)
米メディア大手パラマウントは24日、同社によるワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)の買収手続きについて、反トラスト法(独占禁止法)違反を主張する訴訟の審理が進む間、買収完了を延期することで原告側と合意した。これにより、連邦地裁が差し止めの是非を判断するまで、総額約1100億ドル規模とされる大型買収は実行されない見通しとなった。
今回の買収計画は映画スタジオやテレビネットワーク、動画配信サービスなど幅広い分野を統合するもので、実現すれば世界のメディア業界に大きな影響を与えるとみられている。一方、カリフォルニア州を中心とする12州は、統合によってエンターテインメント市場の競争が著しく低下し、消費者の選択肢縮小や価格上昇、クリエーターや労働者への悪影響を招く恐れがあるとして、買収差し止めを求めて提訴していた。
これに先立ち、カリフォルニア州地裁のオルギン(Araceli Martínez-Olguín)判事は、州側の主張には十分な根拠が示されているとして、一時的に買収手続きを停止する仮処分を命じていた。その後、パラマウントは裁判所の最終判断が示されるか、遅くとも2027年6月1日まで買収完了を見送ることで合意し、審理が続く間は現状を維持する方針を示した。
パラマウントは今回の合意について、迅速な裁判手続きにつながる「重要な前進」であると評価している。同社は動画配信市場では巨大IT企業や他の配信事業者との競争が激化しており、統合によって競争力を高めることは消費者の利益にも資すると主張している。また、司法省などによる審査では買収計画が承認されているため、州側の訴えには法的根拠が乏しいとの立場を崩していない。
一方、州側は今回の延期を歓迎している。ニューヨーク州の司法長官は、今回の措置は視聴者やクリエーター、労働者を守るための重要な一歩であり、巨大メディア企業のさらなる寡占化を防ぐ必要があると強調した。訴訟では、統合によってハリウッドの制作現場や番組調達における競争が弱まり、消費者の利益が損なわれる可能性が争点となる見通しだ。
買収の長期化は両社の経営にも影響を及ぼす可能性がある。報道によると、契約条件に基づき一定期間を超えて手続きが遅延した場合、パラマウント側に追加の費用負担が発生する可能性があるほか、最終的に買収が成立しなければ多額の違約金が生じる可能性も指摘されている。
世界的なメディア再編の行方を占う案件として、今後の司法判断に注目が集まっている。
.jpg)
