◎世界保健機関(WHO)は2週間前に緊急事態を宣言している。
天然痘ワクチン(Getty Images)

米政府は4日、サル痘の感染者が急増していることを受け、公衆衛生上の緊急事態を宣言した。

連邦政府は天然痘ワクチンや治療薬の配布、ウイルスの蔓延を抑えるための措置を強化するとした。

世界保健機関(WHO)は2週間前に緊急事態を宣言している。

疾病予防管理センター(CDC)によると、国内の累計感染者は3日時点で6600人を超えた。その約25%がニューヨーク州で報告されている。NY州は先週、州独自の緊急事態を宣言した。

次に患者数の多いカリフォルニア州とイリノイ州も今週、緊急事態を宣言し、体調に異変を感じた時は速やかに届け出るよう市民に要請した。

CDCによると、世界の累計感染者は3日時点で2万6000人を超え、先週末から約5000人増加した。

一部の専門家は緊急事態宣言について、「サル痘差別を引き起こす可能性がある」と懸念を表明している。

サル痘は中央・西アフリカでよくみられる感染症のひとつで、1970年にコンゴ民主共和国で初めて検出された。医療専門家によると、この重症化リスクは低く、感染者の大半は数週間で回復する。死亡率は5~10%。潜伏期間は7日~21日、ほとんどの患者が10日~14日で発症する。

サル痘の感染リスクはコロナウイルスに比べるとはるかに低く、感染者の体液や飛沫に触れると感染する恐れがある。また、それに感染した動物の肉(ブッシュミート)をしっかり過熱せずに食べても感染する可能性がある。

WHOによると、世界の感染者の90%以上が男性で、その多くが同性と性行為を行った経験があったという。

しかし、サル痘は性感染症ではなく、感染者に触れただけで感染する恐れがある。

サル痘に感染すると非常に強いかゆみと発疹が発生し、合併症を引き起こすこともある。

米政府関係者は、ゲイやバイセクシュアル男性、医療従事者など、感染リスクの高い人々に天然痘ワクチンを接種するよう呼びかけている。

しかし、報道によると、米国内では天然痘ワクチンが不足しているという。

保健福祉省(HHS)は先週、ワクチン500万回以上を追加購入すると発表した。ホワイトハウスは今週、サル痘対策を調整・監督するチームを立ち上げている。

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