トランプ氏、イランの回答「受け入れられない」交渉難航
停戦交渉は続いているものの、双方の主張には大きな隔たりがあり、軍事衝突再燃への懸念は消えていない。
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米国とイランの和平協議が再び暗礁に乗り上げた。イラン政府は10日、米側が提示した停戦案への回答をパキスタン政府を通じて提示したが、トランプ(Donald Trump)大統領はこれを「まったく受け入れられない」と批判し、両国間の緊張が一段と高まっている。
AP通信によると、イラン側は今回の間接協議について、単なる一時停戦ではなく「恒久的な戦争終結」に焦点を当てるべきだと主張した。国営イラン通信(IRNA)はイラン側がレバノンを含む地域全体での戦闘終結や、ホルムズ海峡の安全確保を求めていると伝えている。一方、米国案ではホルムズ海峡の開放に加え、イランの核開発計画の縮小が重要条件とされており、双方の隔たりは依然として大きい。
トランプ氏は自身のSNSに声明を投稿、「イランは50年間にわたり米国を翻弄してきた」と批判し、「彼らが笑っていられる時代は終わる」と警告した。ただ、具体的にどの点が受け入れ不能だったのかについては明らかにしていない。米国のウォルツ(Mike Waltz)国連大使は外交努力を継続する姿勢を示しつつも、「必要なら再び軍事行動に戻る可能性がある」と述べ、圧力を維持する考えを示した。
今回の交渉ではパキスタンが仲介役を務めている。ロイター通信によると、まず戦闘停止とホルムズ海峡の航行再開を目的とした暫定的な”覚書”の締結が模索されているという。しかし、核問題や経済制裁解除などの主要課題は棚上げ状態にあり、交渉の先行きは不透明だ。
こうした中、中東地域では軍事的緊張も続いている。カタール沖では船舶火災が発生し、アラブ首長国連邦(UAE)やクウェートでは無人機の侵入が報告された。UAEはイランによる攻撃だと主張しているが、犯行声明は出ていない。ホルムズ海峡は世界のエネルギー輸送の要衝であり、情勢悪化は原油市場や世界経済にも大きな影響を与える。
さらに、イランの高濃縮ウラン保有問題も交渉を難しくしている。国際原子力機関(IAEA)はイランが兵器級に近い高濃縮ウランを400キロ以上保有していると指摘、イスラエル政府も「ウランが国外へ持ち出されない限り戦争は終わらない」と強硬姿勢を崩していない。イラン側は核施設防衛のため「完全な準備態勢」にあるとして、外部からの攻撃や奪取工作を強く警戒している。
停戦交渉は続いているものの、双方の主張には大きな隔たりがあり、軍事衝突再燃への懸念は消えていない。中東情勢は依然として不安定なままで、国際社会が米国とイランの対応・動向を注視している。
