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減量後の体重維持に効果的な歩数「1日約8500歩」=欧州肥満学会

ウォーキングのイメージ(Getty Images)

減量後の体重維持に効果的な歩数はどの程度なのか。そんな疑問に対し、欧州肥満学会(EASO)が公表した最新研究が「1日約8500歩」という具体的な目安を示し、注目を集めている。これまで健康維持の目標として広く知られてきた「1日1万歩」より少ない数字であり、専門家は「現実的で継続しやすい」と評価している。

研究を主導したのはイタリア・モデナ大学のマルワン・エル・ゴシュ(Marwan El Ghoch)教授らのチームで、肥満または過体重の成人約3750人を対象にした14件の臨床試験を分析した。対象者の平均年齢は53歳で、イギリスや米国、日本、オーストラリアなど複数国のデータが含まれている。研究では、食事管理に加えて歩数増加を取り入れたグループと、食事制限のみを行ったグループを比較した。

その結果、生活改善プログラムに参加した人々は、開始時点では平均7280歩だった1日の歩数を、減量期には平均8454歩まで増やしていた。この期間に平均約4キロの減量に成功し、その後も1日約8240歩を維持した人々は、長期的にも体重増加を抑える傾向が確認された。研究チームは減量後に最も難しい課題は「リバウンド防止」であり、歩行習慣の継続がその鍵になると指摘している。

一方で、研究では「歩数を増やせば増やすほど短期間で大きく痩せる」という単純な結果は示されなかった。減量初期においては、歩数よりも食事によるカロリー制限の影響が大きかったためだ。研究者たちは「運動だけで急激な減量を目指すのではなく、食事改善と組み合わせて長期的な生活習慣にすることが重要だ」としている。

米ABCニュースもこの研究を取り上げ、「健康維持や減量には必ずしも1万歩は必要ではない」と報じている。近年の研究では、4000歩程度でも死亡リスクの低下に効果があり、7000歩前後で心血管疾患リスクが大きく下がることも報告されている。専門家は「完璧な数字を目指すより、現在より少しでも多く歩くことに意味がある」と強調している。

また、歩行には単なるカロリー消費以上の効果もある。筋肉量を維持しやすくなるほか、血糖値の安定やストレス軽減、睡眠改善などにもつながるとされる。特にウォーキングは特別な器具や高額な費用を必要とせず、高齢者でも始めやすい運動として支持されている。

SNSや掲示板でも研究結果は話題となっており、「1万歩は難しくても8500歩なら続けられそうだ」「結局は毎日の小さな積み重ねが大事だ」といった声が多く寄せられている。一方で、「仕事が座りっぱなしだと8500歩でも大変」という意見もあり、専門家は通勤時に一駅分歩く、昼休みに短時間散歩するなど、日常生活の中で自然に歩数を増やす工夫を勧めている。

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