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トランプ氏、イランの回答を拒否「生命維持装置にかろうじてつながっている状態」

トランプ氏はホワイトハウスの記者団に対し、イランの提案について、「読むのを途中でやめた」「完全に受け入れられない内容だ」と強い言葉で批判したうえで、「停戦は今や瀕死の状態だ」と表現した。
2026年5月11日/米ワシントンDCホワイトハウス、トランプ大統領(AP通信)
トランプ(Donald Trump)米大統領は11日、イランとの間で続く停戦協議について、「生命維持装置にかろうじてつながっている状態だ」と述べ、恒久的な停戦の成立は極めて不安定だとの認識を示した。イランが提示した米国の和平案への回答を「受け入れられない」として拒否した直後の発言であり、中東情勢の緊張がさらに高まっている。

問題となっているのは、米国が提示した停戦および和平の枠組みに対し、イラン側が提出した対案である。イランは回答の中で、敵対行為の全面停止に加え、制裁解除、戦争損害への補償、さらにはホルムズ海峡の主権的権利の承認などを求めたとされる。米側はこれらの要求を過大かつ受け入れ不可能だとして即座に拒否した。

トランプ氏はホワイトハウスの記者団に対し、イランの提案について、「読むのを途中でやめた」「完全に受け入れられない内容だ」と強い言葉で批判したうえで、「停戦は今や瀕死の状態だ」と表現した。さらに「患者(イラン)が生き延びる可能性はほぼない」と述べ、現状の停戦枠組みが崩壊寸前にあるとの認識を示した。

今回の対立の背景には2カ月半にわたり続く軍事衝突がある。米国とイランの対立は周辺地域にも波及しており、特にレバノンで戦闘が激化している。加えて、ホルムズ海峡の航行の不安定化が国際エネルギー市場に影響を与え、原油価格の上昇や物流の混乱が続いている。

イランの提案は単なる停戦ではなく、地域全体の軍事行動停止や経済制裁の全面解除を含む包括的な内容であったとされる。一方で米国は、まず戦闘停止に限定した合意を優先すべきだとの立場を崩しておらず、両者の隔たりは依然として大きい。

また、米国はイランの核開発問題についても強い懸念を示し、和平交渉の枠組みの中でどのように扱うかが最大の焦点となっている。トランプ氏はイランの核関連物質の扱いにも言及し、「一部は既に拡散している可能性がある」と主張した。

この状況を受けて国際社会からは、軍事衝突の拡大を懸念する声が高まっている。特にエネルギー供給への影響や海上輸送の安全確保は世界経済全体に波及する問題となっている。

米イラン間の停戦は維持されているものの、双方の主張は平行線をたどっており、外交的解決の見通しは不透明なままである。トランプ氏の発言は現行の停戦枠組みが極めて脆弱であることを改めて浮き彫りにした。

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