米連邦議会下院、イラン戦争費を含む950億ドルの予算案可決
法案では、イランとの軍事作戦継続を念頭に国防総省向けとして約600億ドルを計上したほか、国家安全保障関連費130億ドル、関税政策の影響を受ける農家への支援120億ドルを盛り込んだ。
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米連邦議会下院は22日、イラン戦争への対応やトランプ政権の重点政策を盛り込んだ総額950億ドル(約15.5兆円)規模の予算案を賛成216ー反対214の僅差で可決した。共和党が単独で成立させたもので、民主党は全員が反対した。法案は今後、上院に送られるが、与野党双方から異論が出ており、成立の見通しは不透明な情勢だ。
法案では、イランとの軍事作戦継続を念頭に国防総省向けとして約600億ドルを計上したほか、国家安全保障関連費130億ドル、関税政策の影響を受ける農家への支援120億ドルを盛り込んだ。また、有権者登録時に市民権の証明を義務付ける「SAVE America Act」に関連する選挙制度改革費用として約100億ドルを充てる内容となっている。共和党は安全保障の強化と選挙制度の信頼性向上を目的とした包括的な予算措置と位置付けている。
採決では共和党内にも慎重論があり、財政赤字を拡大させる追加歳出に十分な財源が示されていないことへの懸念が出た。それでもジョンソン(Mike Johnson)下院議長は予算調整措置(リコンシリエーション)の手続きを活用し、民主党の協力を得ずに法案を前進させた。11月の中間選挙を控え、トランプ政権の政策実現を優先する姿勢を鮮明にした形だ。
一方、民主党はイランでの軍事作戦に対する議会承認が十分でないまま多額の戦費を計上することや、社会保障や教育など国内政策より軍事支出を優先する姿勢を厳しく批判した。また、選挙制度改革を予算案に組み込んだことについても、「党派的な政策を予算審議に持ち込んだ」と反発している。
今後の焦点は上院での審議となる。共和党が多数派を占める上院でも法案内容には慎重な意見があり、そのまま可決される保証はない。2027会計年度の開始を10月1日に控える中、議会では政府機関閉鎖の回避を優先して法案を修正する可能性も取り沙汰されている。
イラン情勢への対応と国内政治課題を一体化した今回の予算案は安全保障と財政運営、さらには選挙制度改革を巡る与野党対立を浮き彫りにしている。
