トランプ恩赦で釈放されたホンジュラス元大統領、帰国へ
エルナンデス氏は2014年から2022年まで大統領を務め、退任後に逮捕、米国に身柄を引き渡され、麻薬密売組織と結託して大量のコカインを米国へ密輸した罪などで起訴された。
と警察関係者(ロイター通信).jpg)
米国で麻薬密売事件により服役していたホンジュラスのエルナンデス(Juan Orlando Hernandez)元大統領は22日、今週末に帰国し、自国で係争中の刑事事件について起訴の取り下げを求める考えを明らかにした。
トランプ(Donald Trump)米大統領は昨年末、エルナンデス氏に対して「全面かつ完全な恩赦」を与えると表明。これにより収監先のウェストバージニア州の連邦刑務所から釈放され、自由の身となった。
エルナンデス氏は22日、ロイター通信の取材に対し、自身に対する国内の詐欺や資金洗浄事件は「政治的な思惑によって仕組まれたものだ」と主張し、関連事件で他の被告に対する訴追が相次いで取り消されていることから、自身についても同様の判断が下されることを期待していると述べた。
エルナンデス氏は2014年から2022年まで大統領を務め、退任後に逮捕、米国に身柄を引き渡され、麻薬密売組織と結託して大量のコカインを米国へ密輸した罪などで起訴された。
2024年にニューヨーク州の連邦裁判所で有罪判決を受け、禁錮45年の実刑判決が言い渡された。しかし、トランプ氏は昨年末、この有罪判決について「政治的な動機によるもの」として恩赦を決定し、エルナンデス氏は2年足らずで釈放された。この恩赦は米国での有罪判決に限定されており、ホンジュラス国内で進行中の刑事手続きには効力を及ぼさない。
帰国後に争う予定の事件は、公的資金の不正流用を巡る汚職事件である。検察はエルナンデス氏らが政府資金を不正に流用し、資金洗浄などに関与した疑いがあるとして捜査を進めてきた。一方、エルナンデス氏は一貫して無実を主張しており、「政敵による政治的迫害に過ぎない」と反論している。また、同じ事件ではロボ(Porfirio Lobo)元大統領や元財務当局者らへの訴追が取り下げられた経緯があり、自身にも同じ法的判断が適用されるべきだと訴えている。地元の法律専門家の間では、エルナンデス氏に対する訴追が取り消される可能性について見方が分かれている。
エルナンデス氏は帰国後の政治活動について明言を避けたものの、自身が所属する保守政党への支持を改めて表明し、新たな指導部への期待を示した。一方で、政界復帰を目指す可能性については否定も肯定もせず、「今は家族とともに祖国へ戻ることが最優先だ」と語った。
ロイターによると、エルナンデス氏は7月27日に帰国する予定。
トランプ氏による恩赦は、ホンジュラス国内でも波紋を広げている。恩赦決定は昨年のホンジュラス大統領選挙の前後に行われ、米国による選挙介入ではないかとの批判も上がった。
今回のエルナンデス氏の帰国は、国内の司法手続きだけでなく、今後の政治情勢にも少なからぬ影響を及ぼす可能性がある。長年にわたりホンジュラス政治の中心にいた元大統領が再び自国に戻ることで、司法の独立性や法の支配を巡る議論が改めて活発化しそうだ。
なお、今年1月末に就任した右派のアスフラ(Nasry Asfura)大統領はトランプ氏の盟友である。
(Elmer-Martinez/AP通信).jpg)
